JRA三浦皇成「天国と地獄」歓喜の重賞制覇も笑顔消えた!? ヒーローから一転、単勝1.9倍飛ばすヒールに…… 快進撃止まった期待馬に立ちはだかった壁
20日、東京競馬場で行われたマラソンレース・ダイヤモンドS(G3)は、三浦皇成騎手の7番人気グロンディオーズが勝利。先に抜け出した川田将雅騎手の1番人気オーソリティを目標に追い上げると、ゴール前でクビ差捉えての差し切り。6歳にして初の重賞タイトルを手に入れた。
3着ポンデザールを5馬身置き去りにするマッチレースを制しての勝利は価値がある。直線の長い東京コースの3400m戦を制したことで、今後は春の天皇賞(G1)も視野に入って来るだろう。
三浦騎手はレース後、「過去のレースもすべて見ましたし、厩舎スタッフの方々や田村調教師とも話をして、厩舎の方々が間違いなく距離は持つと送り出してくれましたから、信じて乗りました」と、グロンディオーズの特徴を予習した上で最高の結果を導けたことをコメント。
さらには「この馬に携わる関係者の皆様が、苦労を積み重ねてバトンを受け取りましたし、しっかり仕事をしなくてはと思っていました」と、陣営への感謝の気持ちを忘れなかった。
有力馬の依頼がありながらも、近年は年1勝の重賞勝利が続いていた三浦騎手。昨年も初重賞勝ちはダノンスマッシュで制した9月のセントウルS(G2)まで待たなければならなかった。初コンビで勝利を挙げた三浦騎手が、勝利騎手インタビューに満面の笑顔で答えたのも分かる話だ。
そんな三浦騎手にとって年間3勝を挙げた2011年以来となる2勝以上のチャンス。2月で早くも初重賞勝ちを達成したことは、さらに勝ち数を上乗せ出来る期待も持てそうだ。
しかし、土曜に重賞勝ちの”ヒーロー”となった三浦騎手だったが、日曜には一転して”ヒール”となってしまった。
日曜の阪神競馬場で三浦騎手は、11Rの大和S(OP)でダンシングプリンス(牡5、美浦・宮田敬介厩舎)に騎乗した。レースでは果敢に先頭を奪ったものの、最後の直線では徐々に脚色が鈍くなり、6着に敗れた。
破竹の6連勝で挑んだ前走のカペラS(G3)を3着に敗れはしたが、初めての重賞だったことを考えれば悪くない内容。OPの大和Sで、単勝1.9倍の断然人気に支持されたのも不思議ではない話だ。
「ダンシングプリンスにとって初コースだったことも大きかったですが、三浦騎手の阪神コースの経験不足も少なからず影響した可能性がありそうです。
外枠から積極果敢にハナを奪ったものの、終始後続に追い上げられる苦しい展開。カペラSで敗れた際に、『ハナに立たないこの形でも走れると思っていました』と収穫のあった旨のコメントをしていましたが、活かすことができませんでした。
残り200m付近で左ムチを連打した際、馬が内ラチにぶつかりそうになって一瞬バランスを崩したことも気になりました」(競馬記者)
重賞制覇も視野に入れている期待馬だけに、この相手なら勝っておきたかったところだが、残念な結果に終わってしまった。昨年のホープフルS(G1)で逸走したランドオブリバティもそうだが、またしても逃げた馬で結果を残せなかった。
中山記念(G2)は先行力のあるパンサラッサとのコンビを予定している三浦騎手。会心の勝利で再び笑顔を見せてくれるだろうか。