JRAアーモンドアイ手掛けた名門厩舎に「異変」!? 起用騎手の序列で「窮地」に立たされているジョッキーとは
27日、中山競馬場で行われた5Rの未勝利戦は、2番人気のクライミングリリー(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。デビュー戦では8着と敗れたが、2戦目で一変した。
クライミングリリーは、全兄にNHKマイルC(G1)2着のギベオンを持つディープインパクト産駒の血統馬。2017年以降、常にトップ10入りを果たす国枝厩舎は、この勝利により今年の勝ち星でリーディング首位に並んでいる。
昨年まで管理したアーモンドアイで、2010年のアパパネ以来2度目の牝馬三冠を達成。同馬ではJRA芝G1最多の9勝を挙げる偉業も成し遂げた、関東屈指の名門厩舎だ。
そんな国枝厩舎は、昨年もG1での3勝を含む44勝。こういった有力厩舎の馬に騎乗することは、ジョッキーにとっても自身の成績に大きな影響を与える重要な問題だろう。
今回、クライミングリリーに騎乗したのは田辺裕信騎手で、国枝厩舎の管理馬では今年早くも4勝目。先週も同厩舎のダイワクンナナで勝利を飾っており、ここまで22勝と関東リーディング首位を独走している。
一方、苦戦を強いられているのが同レースで1番人気のアヒージョケッパーに騎乗しながらも5着に敗れた三浦皇成騎手だ。今年は関東リーディングの期待もされているが未だ12勝。勝利数は、田辺騎手に大きく離されている。
「昨年は国枝厩舎の管理馬でC.ルメール騎手に次ぐ7勝と多くの勝ち星を挙げた三浦騎手ですが、今年は同厩舎の管理馬で未だ勝ち星がありません。逆に、昨年は国枝厩舎の管理馬で4勝しかできなかった田辺騎手が、今年は既に4勝と早くも昨年の記録に並びました。
この勢いだと昨年の三浦騎手の7勝は軽く超えることが予想されます。勝ち鞍が思うように伸びず苦戦している三浦騎手ですが、このままだと国枝厩舎での序列が変わってくるかもしれませんね」(競馬記者)
27日、クライミングリリーで1勝を上乗せした田辺騎手だが、国枝厩舎管理馬における先週までの成績を見ても三浦騎手との差は歴然。三浦騎手が大きく下回っているのは明らかである。
■2021年2月21日終了時点 国枝厩舎管理馬の騎手別成績
(成績、勝率、連対率、複勝率)
田辺裕信【3-1-0-5/9】33.3% 44.4% 44.4%
三浦皇成【0-1-1-6/8】0.0% 12.5% 25.0%
また、騎乗馬の平均人気では三浦騎手が3.9番人気と田辺騎手の4.7番人気を上回っており、決して騎乗馬の質が悪いというわけでもなさそう。しかしながら、平均着順は8.1着と田辺騎手の4.4着を大きく下回っているのだ。
三浦騎手は、27日も水仙賞(1勝クラス)でミエノムガール(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)に騎乗したが、11頭中8番人気で9着。このまま不調が続くようなら、騎乗馬の平均人気で田辺騎手を下回るのも時間の問題かもしれない。
今年も3月となるが、好調続く田辺騎手に追いつくことはできるのだろうか。三浦騎手の巻き返しに期待したいところだ。