JRA高松宮記念(G1)ラウダシオン親子2代で「唯一無二の大偉業」へ! 3歳で安田記念制覇の父に負けじと挑む「偉業」とは!?
28日、中京競馬場で行われる高松宮記念(G1)に出走する昨年のNHKマイルⅭ(G1)優勝馬ラウダシオン(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)は、M.デムーロ騎手とのコンビで2度目のG1制覇を狙う。
意外な事に過去10年のNHKマイルC優勝馬で高松宮記念に出走したのはミッキーアイル唯1頭。そのミッキーアイルは、4歳時の15年は3着、5歳時の16年は2着と好走した。
5年ぶりに参戦する「NHKマイルCの覇者」は上位人気に支持されている。どうやらラウダシオンに「ミッキーアイルの再来」を期待するファンも多いようだ。
ラウダシオンは1600mのG1馬であるが、1200m成績は[1.0.2.0/3]。小倉2歳S(G3)以来、約1年5か月ぶりの1200m戦となったシルクロードS(G3)で0.2秒差3着と、「スプリント適性」に加え「中京適性」も問題はないように思える。
やはり問題は「相手関係」となるだろうか。
同世代からはレシステンシア(牝4、栗東・松下武士厩舎)が前走、阪急杯(G3)レコードVの勢いそのままにNHKマイルⅭの借りを返しに来る。週中は鞍上問題で揺れたが、急遽チャンスに恵まれた浜中俊騎手も、先述ミッキーアイル以来の手応えを感じているのではなかろうか。
昨年末に香港スプリント(G1)を制したダノンスマッシュ(牡6、栗東・安田隆行厩舎)は今やスプリント界世界最強クラス。高松宮記念は19年4着、20年10着と相性は今一つだが、鞍上・川田将雅騎手は「この馬と一緒にG1を獲りたいという思いは非常に強い」と公言している。
栗東・音無秀孝厩舎から参戦の「昨年の覇者」松若風馬騎手とモズスーパーフレア(牝6)、「19年統一マイル王」福永祐一騎手とインディチャンプ(牡6)も生半可な相手ではない。
さらに、ここ2年の波乱傾向はスプリント界を「庭」にしているメンバーにとって強力な追い風となる。これら全ての相手を「撃破」することが求められるのだ。
ラウダシオンは1週前に栗東のⅭウッド6ハロンで81秒7-11秒8を一杯でマーク。24日の最終追いは終い重点に同じⅭウッド6ハロンで87秒9-12秒4と控えめに、26日は角馬場からキャンター調整。斉藤崇師は「追い切り後も順調でいい状態。左回りも合っている」とコメントを残している。
ラウダシオンの父リアルインパクトは11年NHKマイルⅭを3着に敗れたが、次走、安田記念(G1)で3歳馬による優勝という大仕事をやってのけた。これは1984年のグレード制導入以降では唯一無二の記録であり、偉業と言っても差し支えないだろう。
「NHKマイルⅭと高松宮記念の2冠」は、日本調教馬として初めて海外G1を制したシーキングザパールをはじめ、ラインクラフトやミッキーアイルも成しえなかった偉業である。
「親子2代で唯一無二」
我々は週末、その誕生の目撃者となるかも知れない。