有馬記念はサトノダイヤモンド「三つ巴」の激戦で涙の勝利! キタサンブラック、ゴールドアクター「最強の戦い」に感動
やはり「最強世代」の「最強」は、伊達ではなかった。
25日に開催された有馬記念(G1)。JCホースのキタサンブラックに昨年覇者のゴールドアクター、そして3歳世代最強馬サトノダイヤモンドが中心と目された今年の総決算。レースは、期待された実力馬が最大限のパフォーマンスを発揮した素晴らしいものとなった。
ムスカテールが出遅れたものの、ほぼ揃ったスタートで始まった同レース。1番キタサンブラックは抜群のスタートを見せたものの、7番マルターズアポジーがスピードにモノを言わせてハナを奪う大方の予想通りの展開。2番手にキタサンブラック、3番手にゴールドアクター、サトノダイヤモンドは7~8番手から正面スタンドを過ぎたあたりで4~5番手の位置につける。上位人気勢はそれぞれ思い描いた位置につけたと言っていい。サトノダイヤモンドは常に前を行くキタサンブラックを意識しているようだった。
1000m通過タイムは1:01:00と、同じコースで行われた7Rグッドラックハンデキャップよりも遅い、緩い流れ。しかし、向こう正面にさしかかるあたりでレースが動き出す。4、5番手につけていたサトノダイヤモンドが3番手ゴールドアクターを交わし、キタサンブラックの外にピタリとつけた。鞍上のC.ルメール騎手のキタサンブラックへの警戒心の表れといえる。
さらに外からは同じく「サトノ軍団」の一員サトノノブレスがかぶせにかかり、2頭でキタサンブラックをマークする形となった。キタサンブラックVSサトノ軍団。ゴールドアクターはそれを見ながらインの経済コースでペースを保つ。
3コーナーを過ぎた瞬間に中団後ろからまくっての進出を開始したシュヴァルグランと福永祐一騎手。思い切った騎乗で一気に前を行く上位人気馬をとらえにかかる。4コーナー時点では、内から、キタサンブラック、ゴールドアクター、サトノダイヤモンド、少し後ろにシュヴァルグランが逃げるマルターズアポジーを交わし、4頭ほぼ並んで先頭に躍り出た。
最後の直線、サトノダイヤモンドとゴールドアクターが、後半厳しいマークにあったキタサンブラックを捉えにかかる。ゴールドアクターの脚色は非常によく、半馬身差までになった。ついに交わされるのか。
しかし、天皇賞で、京都大賞典で、ジャパンCで並みいるライバルを蹴落としてきたキタサンブラックの真骨頂はここからだった。武豊騎手のゲキに応えるように、再びゴールドアクターに1馬身の差をつける。ゴールドアクターも再び差そうと必死の走りを見せるが、差が詰まらないまま残り100mに。すでにシュヴァルグランの姿はなく、レースは「3強」の叩き合いとなっていた。