【東京大賞典考察】アウォーディー「ダート初の敗戦は武豊騎手のオヤジギャグ連発にグレたから?最大の弱点を露呈しない鍵は、意外にも『あのライバル』の復調か?」
先頭を走っていたのは逃げたモンドクラッセだったが、残り200mを切ったところでアスカノロマンが前に出る。そこに中団から脚を伸ばしてきたアウォーディーが強襲。力強く先頭に立ったが、それも束の間。一頭だけ次元の異なる鬼脚で突っ込んできたサウンドトゥルーが、前の馬をすべて飲み込んでゴールした。
レース後、武豊騎手は敗因を最後のソラを使ったことに求めるのと同時に、やはり道中で気難しい面を見せたことを指摘。ソラを使う傾向は以前からあったようだが、ここまで気難しい面を見せたのは初めてだった。
一体、どうしてしまったのだろうか。主戦騎手が「○○で会おうディー」とオヤジギャグばかりを飛ばしていたので、グレてしまったのだろうか。冗談はさておき、今後に大きな課題を残したレースだった。
【血統診断】
本馬が昨年のシリウスS(G3)を勝つまで、ジャングルポケット産駒の重賞勝利はすべて芝コース。ジャングルポケット×サンデーサイレンスという配合にも、天皇賞・春(G1)を勝ったジャガーメイルや毎日王冠(G2)勝ちのエアソミュールなど芝の一流馬ばかりだ。
ただ、凱旋門賞馬トニービンを父に持つジャングルポケットの産駒の中で、何故アウォーディーだけがダートで活躍しているのかということに関しては、血統的にはある程度の答えが見えている。
例えば、父ジャングルポケットの母父Nureyevと母ヘヴンリーロマンスの母父Sadler’s Wellsは、1999年の凱旋門賞(G1)で2着なったエルコンドルパサーの血統にも含まれている。そして、そのエルコンドルパサー自身は芝ダート兼用で種牡馬としても菊花賞馬のソングオブウインドを送り出す一方で、ダート王のヴァーミリアンが代表産駒となっている。