【東京大賞典考察】アウォーディー「ダート初の敗戦は武豊騎手のオヤジギャグ連発にグレたから?最大の弱点を露呈しない鍵は、意外にも『あのライバル』の復調か?」
ただし、前走のチャンピオンズCに関してはソラを使ったことは、いわれているほど大きな敗因ではない。着差こそクビ差だが、脚色はサウンドトゥルーが大きく上回っており、仮にアウォーディーがソラを使っていなかったとしても粘り切れたかは疑問だ。
また、武豊騎手がレース後に「(抜け出してから)想像以上のブレーキだった」と話していたのはソラの症状が酷いというよりも、おそらく元々のソラの症状に、道中でスムーズさを欠いた分の”ガス欠”があったのではないかと思われる。
次に「道中時折見せる気難しさ」についてだが、これが顔をのぞかせ始めたのは、この秋になってから。秋初戦の日本テレビ盃以降、程度は異なれどJBCクラシックとチャンピオンズCと3戦連続で気難しさを見せ、特に最終コーナーから最後の直線に入る辺りでは、必ず一度外にもたれている。
ダート転向後の前半4戦には見られず、ここ3戦で顕著になった気難しさ。前半部と後半部で何が異なるのかは、実に明白だ。おそらくアウォーディーは「左回りの競馬」に問題を抱えている。実際にダート転向後の前半4戦はすべて右回り、逆にこの秋の3戦はすべて左回りだった。さらに芝時代を振り返っても、左回りの競馬では不器用なところを見せていた。
仮にもし「道中時折見せる気難しさ」の原因が100%「左回りの競馬」にあるのであれば、東京大賞典の舞台となる大井競馬場は右回りなので、今回は度外視できる。
その上で、サウンドトゥルーにリベンジを果たす大前提は、本馬がソラを使う展開に持ち込まないことだ。だが、それには最後まで気を抜かず走らせてくれる有力なパートナーが必要不可欠。
それが日本テレビ盃のモーニンであり、JBCクラシックのホッコータルマエであったのだが、残念ながらここにはいない。さらに頼みの綱のコパノリッキーはまたもスランプに陥っており、強力な先行馬が不在なのは武豊騎手にとっても悩みの種となりそうだ。