有馬記念売り上げ449億、年間総売り上げ前年比103.4%。数字の上では好調維持も、楽観視してばかりもいられない…競馬人気復活は本当か?
もちろん、過去の栄光に引きずられている部分はあるかもしれない。バブル前後の日本経済華やかなりしころ、年間総売り上げ4兆円という莫大な規模を誇った中央競馬だ。その最盛期の数字と、バブル崩壊からリーマンショック、東日本大震災発生後の現在を単純比較することには意味がない。
とはいえ、来年の日本競馬に今年以上の話題性を求めることはさすがに難しいような気がする。可能性はゼロではないが、そうそう幸運は重なるものではないだろう。
だとすれば、例年通りの運営をするだけでは、来年以降もこの好調を維持するのは厳しいのではないだろうか。つまり、単純に今年の数字だけを見て、「競馬人気が復活した」と安易に考えることはできないということだ。
2016年は競馬界にとって「幸運」な年だった。その現実はただの現実として受け取めるべきなのかもしれない。