JRA 2年連続「無敗二冠」牡牝誕生に現実味!? ソダシ、エフフォーリアがライバルをリード、春G1を振り返る
春の幕開けを告げた高松宮記念(G1)も終わり、4月に入って大阪杯(G1)、桜花賞(G1)、皐月賞(G1)が終了。4週連続となったG1開催だが、今週は中休み。来月2日の天皇賞・春(G1)から始まる怒涛の6週連続G1に向け、4月の競馬を振り返ってみたい。
大阪杯はコントレイル、グランアレグリア、サリオスといったトップクラスの実力馬が参戦したこともあり、戦前からハイレベルの熱戦が期待された。
だが、三強対決に注目された一戦を制したのは4番人気のレイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)。デビューから無傷の6連勝でG1馬の栄誉を手にしている。同世代には無敗で牝馬三冠を制したデアリングタクトもおり、幻の秋華賞馬といわれたレイパパレと真の女王を懸けた対決の実現が待ち遠しい。
その一方で、大阪杯当日の馬場は降り続いた雨の影響で急激に馬場が悪化していた。重馬場を敗因として挙げた陣営もいるため、抜群の重適性を見せたレイパパレの評価は分かれるところ。名実ともに現役最強を名乗るには、次走で真価が問われることになりそうだ。
桜花賞は昨年の阪神JF(G1)から大きな勢力図の変化は見られなかった。
勝ち馬のソダシはデビューから無敗5連勝でG1・2勝目を挙げた。2着サトノレイナスはあと一歩のところまでソダシを追い詰めたが、またしても白毛の女王の軍門に降ってしまった。惜しい競馬とはいえ、連敗しているのは厳然たる事実である。
鋭い末脚を武器としている馬だけに、東京コースへ替わるオークス(G1)に出走すれば1番人気の支持が濃厚だろう。
ただ、これまでの4戦すべてで出遅れているように、決して器用なタイプといえないのは懸念材料だ。安定した先行力を持つソダシは、ここまでのレースで抜群の操縦性を披露しており、好位でレースを運べる優位さがある。
東京の直線は長いといっても、時計の出やすい高速馬場での開催が春の傾向。出遅れ癖を解消しないことには、再び苦戦を強いられる可能性も濃厚か。
レースでは後ろから豪脚を見せた馬を過大評価してしまうことも多いが、先頭でゴールした馬が勝つのが競馬。前にいるまま押し切るタイプの方が不利を受けたり、コース取りに苦戦するリスクが少ないことは忘れないでおきたい。
クロフネ産駒が芝の中距離G1で未勝利と苦戦しているが、障害とはいえアップトゥデイトが4000m以上の中山大障害(J・G1)、中山グランドジャンプ(J・G1)を制している。母ブチコもダートの中距離で活躍した馬だけに、距離克服の可能性は十分あるのではないか。