JRA「超弩級」の大外分回しで1番人気ボーデン6着轟沈……「申し訳ないです」キャリア初重賞1番人気の代役・武藤雅に「川田なら……」の声
4日、福島競馬場で行われたラジオNIKKEI賞(G3)は、4番人気のヴァイスメテオール(牡3歳、栗東・木村哲也厩舎)が重賞初制覇。日本ダービー(G1)トライアルのプリンシパルS(L)で1番人気に推された素質馬が、実りの秋へ大きな弾みをつけた。
一方、秋へ向けて手痛い敗戦を喫したのが、同じ木村厩舎の1番人気ボーデンだ。
16頭立て、芝1800mのレース。スタートで出遅れた3枠5番のボーデンは、後方からの競馬を強いられた。これまで好位から粘り込む競馬を身上としていただけに、鞍上の武藤雅騎手のレースプランは大きく計算が狂ってしまった。
致命傷となったのが4コーナーだ。相棒の力を信じ、外からまくりの競馬に出た武藤騎手だったが、内を走る馬たちが激しく抵抗……8頭が横一線になる中、あろうことか一番大外を回る羽目になってしまった。
こうなると福島の短い直線で挽回することは極めて難しい。結局、ボーデンは後方から追い上げを見せたものの6着までが精一杯……1枠2番の好枠を活かし、馬場の真ん中内目から突き抜けたヴァイスメテオールとは、あまりにも対照的な結果となった。
この結果には、ネット上の競馬ファンもSNSや掲示板などで「あり得ないブン回し」「あれで完全に終わった」「言いたくないけど、さすがに下手過ぎる」「川田なら……」と不満の声が続々……重賞の1番人気馬だっただけに、納得いかないファンも少なくなかったようだ。
「もったいないレースになってしまいました。レース後に武藤騎手が『スタートが全て』と話していた通り、出遅れてしまったことが敗戦の起因になっていることは確かですが、スタート直後から自分で外へ持ち出した判断には疑問が残りますね。
というのも、この日の福島はまだ開幕2日目と馬場コンディションが良く、小回りということもあって、内目を通った馬たちがよく馬券に絡んでいたからです。
その結果、極端な大外を回る羽目になった最終コーナーでも、内を突く選択肢もあったはず。もちろん重賞で1番人気の馬ですから『確実に外を回したい』という気持ちもわかりますが、今回はそれが完全に裏目に出た格好でした」(競馬記者)
実際に、この日のラジオNIKKEI賞は勝ったヴァイスメテオールこそ、最後の直線は真ん中内目だったが、11番人気・7番人気・9番人気で2・3・4着したワールドリバイバル、ノースブリッジ、タイソウらは揃ってインから粘り込む競馬。大外を回ったボーデンには、あまりに苦しい展開だった。
ボーデンが抽選対象だったこともあり、この日、主戦の川田将雅騎手は小倉で騎乗。代役に抜擢された5年目の武藤騎手にとって、今回のラジオNIKKEI賞は千載一遇のチャンスだった。
いや、キャリア初の重賞1番人気だったことを鑑みると「最大のチャンスだった」といえるだろう。