【川崎記念(G1)展望】武豊とケイティブレイブが下剋上を狙う! 昨年の最優秀ダート馬サウンドトゥルーVS「最強世代」
3歳の春までは取りこぼしも目立ったが、5月の兵庫チャンピオンシップ(G2)で重賞初制覇を飾ってからは、7戦して連対を一度も外していない。すでに古馬相手にも白山大賞典(G3)、浦和記念(G2)と重賞2勝を上げており、その実力はダート界の中でもすでにトップクラスといえるだろう。
前走の名古屋グランプリ(G2)こそ勝ったアムールブリエに3馬身ちぎられたが、これはダート2500mが長過ぎたという見解が妥当か。素晴らしいダッシュ力を持つ逃げ馬でありながら2番手からでも競馬ができる自在性が強みで、今回の2100mならば白山大賞典を勝利しているだけに問題ないだろう。
そして、交流重賞において何より頼もしいのが、コンビを組む武豊騎手の存在だ。
昨年は本馬が浦和記念を勝った11月22日まで、交流重賞において馬券圏内を一度も外さないという神懸った成績を上げている武豊騎手。お手馬キタサンブラックを通じて円熟味を増してきた「逃げ」の技術は本馬の安定感にもつながっており、昨年のダート王が相手でも臆することはないはずだ。
この2強対決に割って入れる可能性が最も高いのが、オープン2連勝中で充実著しいミツバ(牡5歳、栗東・加用正厩舎)だろう。
当初、先週の東海S(G2)との両睨みだったが、結果的にこちらを優先することとなった。ただ、状態は相変わらず良好なようで、陣営としても手応えを感じているからこそG1挑戦を決断した。
初の重賞挑戦となった昨秋のシリウスSで4着に敗れるまでは、後方からしっかりと脚を溜め、最後の直線に懸ける競馬を身上としていたミツバ。ところが横山典騎手に乗り替わったブラジルCでは一転して、まさかの逃げを打っての完勝劇。天才的な”奇策”に、ファンやメディアからは絶賛の声が上がった。
さらに単勝1.8倍に推されたベテルギウスSで、今度は後方からまくりの競馬を展開。危なげなく抜け出すと、後続を2馬身以上突き放して連勝を飾った。これまでどちらかといえば勝ち味に遅く、取りこぼしも多かったミツバだが、ついに”ベストパートナー”に巡り合って覚醒。念願の重賞初制覇をG1の舞台で達成する。