【エアスピネル前走考察】武豊騎手が東京新聞杯(G3)に向け示した今後の課題と可能性。約1年2カ月ぶり勝利で見えた高いマイル適性で「覚醒」?

エアスピネル「競馬つらつらより」

 年明けの京都金杯(G3)を単勝1.8倍の支持に応えて完勝し、「新マイル王」に大きく名乗りを挙げたエアスピネル(牡4歳、栗東・笹田和秀厩舎)が、5日の東京新聞杯(G3)に出走する。

 前走の京都金杯は2歳の朝日杯フューチュリティS(G1)以来、約1年ぶりというマイル戦。それもただ昨年10月の菊花賞(G1)以来というだけでなく、3000mから1600mと極端な距離短縮もあって、ペースの変化に戸惑いを見せる可能性も懸念されていた。

 しかし、越えなければならないハードルの数が多く、高さもあるほど、逆にクリアした場合の「評価」も高くなる。そういった点で、エアスピネルは前走で極めて高いマイル適性を示したといえるだろう。

 マイル適性を測るための最もわかりやすい基準は、やはり「スピード」だろう。レース形態全体で見れば短距離の部類に入るマイル戦において、スプリント戦ほどでなくともスピードは重要なバロメーターだ。

 その上で、京都金杯の前半800mの通過タイムは45.9秒。これは同舞台で行なわれた昨年のマイルCS(G1)の46.1秒よりも速い。馬場を考慮しても厳しいペースだったことは間違いないといえる。

 そういった流れの中、エアスピネルはスタートで半歩ほど立ち遅れるも、抜群のダッシュ力であっさりポジションを挽回。最終的には好位の外側につけて、そのまま押し切っている。

 これだけを見ても、今後エアスピネルがマイル戦で追走に苦労するシーンはまず考えられない。条件が限定される2歳戦ではなく、きっちりと各馬の距離適性がカテゴライズされた中で初のマイル戦だったが、何の問題もなくペースについて行けたことは大きな収穫といえる。

 ただ、気になったのはスタート直後から、やや行きたがるシーンが見受けられたことだ。

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