【川崎記念(G1)サウンドトゥルー】年末の東京大賞典で約4年ぶりに見せた積極策。最優秀ダートホースが脇役から「主役」へモデルチェンジ
昨年末の東京大賞典(G1)、前走チャンピンオンズC(G1)で見事な勝利を上げ、後に最優秀ダートホースにも選出されることになるサウンドトゥルー(セン7歳、美浦・高木登厩舎)は、またも敗れた。
着順は3着。39戦で9勝を誇り、2着も8回している馬だが、それ以上に「3着」が多い。その数なんと13回。つまり3レースに一度は3着になる計算だ。
そこそこには強い。だが、負ける馬にはあっさりと負ける。それが良くも悪くもサウンドトゥルーであり、実際に昨年の東京大賞典でもチャンピンオンズCで負かしたはずのアウォーディーに借りを返され、アポロケンタッキーの激走にあっさりとやられた。
だが、この東京大賞典は結果的には同じ3着でも、いつもと「中身」が違った。
これまでのサウンドトゥルーは、同じ敗れるにしても「最後の直線で、いい脚を使ったが届かない」といったパターンが大半だった。だが、東京大賞典では、いつになく積極的な競馬を展開したのだ。
もともとスタートからある程度出して行かないと、ポジションが取れない馬ではある。だが、この日の大野拓弥騎手はスタートからいつも以上に相棒を促している。大外枠からのスタートだったため、仮に後ろから競馬をするつもりなら前に馬を置き辛い分、もっと慎重にスタートしたはずだが、しっかりと加速して好位の5番手に取り付いている。
サウンドトゥルーが1コーナーを5番手以内で飛び込んでいったのは、2012年の10月に未勝利戦で初勝利を上げて以来。つまり、それだけ異例の走りだったということである。
2013年の4月に後方からの競馬で2勝目を上げて以来、とにかく「追い込み」の競馬に徹してきたサウンドトゥルー。それが「差し」に変わった転機となったのが、2015年10月の日本テレビ盃(G2)で重賞初勝利を飾った時だ。以降、直線が短く先行有利の地方競馬を主戦場に戦うこととなってからは、必然的に道中のポジションが上がった。