G1・4勝ルヴァンスレーヴ超えた「怪物2歳馬」が1.9秒大差圧勝デビュー! 「ポテンシャルが凄く高い」新種牡馬ドレフォンから早くもダート王の出現か
22日、新潟競馬場で行われた3Rの新馬戦(ダート1800m)は、2番人気のコンシリエーレ(牡2歳、美浦・稲垣幸雄厩舎)が大差で圧勝。新種牡馬ドレフォンの期待馬が、ファンの度肝を抜いた。
「ポテンシャルが凄く高いことは分かっていました」
レース後、鞍上の武藤雅騎手が手放しで絶賛した通り、まさに圧巻のレースだった。
15頭立てで争われたダート1800mのレース。武藤騎手が「カギだと思っていた」と話すゲートを無難にこなしたコンシリエーレは、鞍上に促されて先団へ。1000m通過はこの時期の2歳新馬としてはタイトな63.3秒だったが、難なく好位を追走している。
ライバルたちに歴然とした差を見せつけたのは、最後の直線だ。先頭を併走していたセイカフォルゴーレとクリスタルローズをあっという間に置き去りにすると、そのまま独走状態。最後は2着ニシノアンドレアに1.9秒という大差をつけてゴールした。
「はっきり言って、めちゃくちゃ強かったです。そう言わざるを得ないほど、この日のコンシリエーレは図抜けたパフォーマンスでした。一度、デビュー戦を除外されて、さらに仕上がっていたことも、結果的にはよかったと思います。
新潟のダート1800mの新馬戦は、過去にデビュー4連勝で海外遠征したエピカリスが1:54.4、G1・4勝のルヴァンスレーヴが1:54.8(稍重)で勝ち上がっていますが、コンシリエーレは1:53.5で勝利。
単純な比較はできないものの先日、同じ新潟ダート1800mの新馬戦を5馬身差で圧勝したビヨンドザファザーの勝ち時計が1:56.2ですから、コンシリエーレが相当な能力を秘めていることは間違いなさそうです。
ちなみに2着ニシノアンドレアの1:55.4も相当優秀な走破時計。3着馬を5馬身突き放していますが、今回は相手が悪かったとしか言いようがないですね」(競馬記者)
また、コンシリエーレの父である新種牡馬ドレフォンは、これが6頭目の新馬勝ちと好調なスタート。6頭中4頭が芝のレースを勝っており、ダートの新馬戦を勝ち上がったのはコンシリエーレが2頭目となる。
それだけに、レース後には本馬を管理する稲垣調教師が「芝の調教もいい走りをしていますが、これだけ強い勝ち方をしたのでダートを走っていくことになると思います」と今後を示唆。
ドレフォン自身は2016年のブリーダーズCスプリント(米G1)を勝利するなどダートの短距離で活躍したが、その類稀なるスピードは日本の芝でも通用しそうなだけに、将来の展望は明るい。さっそくコンシリエーレという大物が登場したことで、さらに注目を集めることになりそうだ。
「まだ体に緩さがあるし、外に膨れ気味だったりと若さがあるが、これから大事に競馬を覚えてくれれば」
レース後、そうコンシリエーレに期待を懸けた武藤騎手。デビュー2年目に中央競馬騎手年間ホープ賞を受賞するなど「乗れる若手」の1人だが、未だJRAの重賞には手が届いていない。この出会いを騎手としての殻を破る、大きなきっかけにしたいところだ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。