JRA 横山典弘、試験勉強そっちのけで“期待2歳馬”へ騎乗!? 突如「鞍上交代」背景に関西大物オーナーの支援?

 調教師試験勉強に本腰を入れるのは、まだまだ先になるのだろうか

 先月29日に小倉競馬5Rで行われた2歳新馬戦(芝2000m)を勝利したマテンロウスカイ(牡2歳、栗東・松永幹夫厩舎)が、今月25日に中京競馬場で行われる野路菊S(OP)へ向かうことが分かった。

 デビュー戦は4番人気とそこまで大きな注目を集めていなかった同馬だが、レース内容は圧巻そのものだった。

 2枠2番から五分のスタートを切ると、1000m通過タイムが60秒5と緩みなく流れるなか、中団馬群の中でジッと我慢。勝負所の4コーナーでは、馬場の内目をスムーズに走り直線を迎える。

 進路を確保するやいなやジョッキーが手綱で促す程度のアクションに鋭く反応。ノーステッキでメンバー最速の上がり3F35秒0を繰り出し、後続に5馬身差つける圧勝をおさめた。加えて走破時計の2分0秒9は、今年同コースで行われた新馬戦最速の時計というオマケ付きだ。

 今回鞍上を務めた秋山真一郎騎手は「癖もなかったし、いい馬ですよ」と、口数は少なかったが素質の高さを評価。管理する松永幹師は「うまく乗ってくれました。まだ緩さはありますが、反応が良かったですね。かなり乗り込んでいたし、芝にいって良かったです。この距離で走れたので、楽しみですね」と、賞賛した。

 また、血統的にも期待が持てる。伯父には、シンザン記念(G3)など重賞3勝を挙げたレッドデイヴィス、近親には菊花賞(G1)とメルボルンC(G1)を制したデルタブルースがいるように、距離の融通が利きそう。

 今後の動向が見逃せない期待馬の次走の鞍上だが、横山典弘騎手を予定していることが分かった。横山典騎手といえば、調教師試験へ向けて最近は騎乗数を絞っているという話も聞かれているが、なぜ西の期待馬の鞍上に起用されることになったのだろうか。

「マテンロウスカイの馬主は、アート引越センターの創業者で現在も名誉会長をお務めになっている寺田千代乃氏です。寺田氏と横山典騎手は懇意な間柄です。寺田氏の代表馬であるミスパンテールやリオンリオンの主戦は横山典騎手でしたから、オーナー直々の“ご指名”なのかもしれません」(競馬誌ライター)

 寺田氏の立場から見ると、親密で信頼できる横山典騎手へ自身の期待馬を任せたいといった意図が今回の乗り替わりから読み取れるだろう。

 横山典騎手も近しい間柄である寺田氏の願いとあらば、机に向かうよりも期待馬の背中に跨る方を選択したといったところだろうか。少なくとも横山典騎手にとって、マテンロウスカイは勉強をひと休みして中京まで乗りに行くほどの価値がある馬なのだろう。

 果たして、過去5年でダービー馬含む後の重賞馬4頭を輩出している出世レースで、マテンロウスカイと横山典騎手がどのようなレースを見せてくれるだろうか。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

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