JRA「謎の回避」から武豊アドマイヤビルゴらに叩きつけた挑戦状!? 2連勝中の3歳牝馬に見え隠れする陣営の戦略
ケフェウスSには、武豊騎手が主戦を務め「6億円ホース」として有名なアドマイヤビルゴを筆頭に、今年の中山金杯(G3)と中山記念(G2)で3着だったウインイクシード、3連勝中のアラタが出走するなど、決して楽なメンバーではない。
しかし、ハンデ戦ということもあって、3勝クラスの3歳牝馬マリアエレーナの斤量は最軽量の48kg。トップハンデのアドマイヤビルゴ、ウインイクシードとは実に8kgものアドバンテージがある。
「前走が418kgでの出走と、決して馬格に恵まれているわけではないマリアエレーナにとって、この軽量は普通の馬よりも大きなアドバンテージになると思いますね。
さらに鞍上に酒井学騎手を確保できたことも大きい。通常48kgまでハンデが軽くなると実績のあるジョッキーはなかなか乗ることができませんが、酒井騎手が豊富な経験がありながらも軽ハンデに騎乗が可能な貴重な存在。その武器を活かして、ハンデ重賞で度々結果を残すことから、一部のファンの間では『ハンデ職人』なんて呼ばれています。
またレース日程が(ローズSより)1日早くなりましたが、マリアエレーナは吉田厩舎の特色で、他の馬よりも早い火曜日に追い切りを済ませていることから影響はほぼないかと。好メンバーが揃ったことで下馬評はそこまで高くありませんが、この出走には陣営の確かな戦略を感じます。不気味な存在だと思いますね」(別の記者)
「折り合いは問題ないし、距離はこれぐらいがベスト」という陣営のコメントはローズSの取材時のコメントだが、舞台設定が同じである以上、そのままケフェウスSにも当てはまる。
“異例の選択”で勝ちに来た、3歳牝馬の走りに注目したい。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。