武豊騎手の「秘策」で大スランプのコパノリッキーの復活なるか!? 3度目のフェブラリーS(G1)戴冠へ天才騎手だけが知る「再生術」とは?
「先頭で直線に入らないとダメ」「レース中に外から被せられるとダメ」「気分を害するようなことをするとダメ」などなど……その1つ1つの真偽はさておき、そこまで数多くの弱点を抱える馬が、こういくつもG1を勝てるのだろうかと疑問に思うのが率直な感想だ。
結局、連敗劇の明確な原因が特定されないまま、先述した昨年のかしわ記念で2度目のスランプ脱出を遂げたコパノリッキー。原因究明の議論は一時封印されたものの、昨秋に3度目のスランプに突入し、現在再燃の時を迎えている。
今回のスランプも、相変わらず明確な「出口」の見えない深刻な状況だ。その重大さを改めて示したのが3連敗となった前走の東京大賞典である。
チャンピンオンズCを勝利したサウンドトゥルーに、新ダート王を目指すアウォーディー、末脚自慢のノンコノユメ、地方競馬の雄ハッピースプリントなど、ダートG1の常連が一通り顔を揃えた昨年末の東京大賞典。
外から被せられる可能性が高い2番枠からのスタートだったものの、逃げたい馬が見当たらず、楽にハナを奪ったコパノリッキー。鞍上の戸崎圭太騎手(武豊騎手はアウォーディーに騎乗)は1000m通過が64.8秒という、ダートG1らしからぬスローペースを作ることに成功している。
だが、スランプ中とはいえコパノリッキーの本来のパフォーマンスの高さを誰よりも認識している武豊騎手が自由に泳がせるはずもなく、ぴったりと2番手でマーク。
ただ、それでも最後の直線に入るまでは泳がされており、コパノリッキーにとってそれほど苦しい展開ではなかった。先手を奪いながらも上がり最速で後続を突き離した昨年の3連勝時のパフォーマンスを鑑みれば、ここから後続を突き離してもおかしくはないほど、戸崎騎手の道中の運びはほぼ完璧といえた。
しかし、直線で並び掛けられたアウォーディーに、まったく抵抗できずにズルズルと後退。結果的に5着とはいえ、勝ったアポロケンタッキーからは8馬身以上の大差をつけられている。