最強3歳馬エピカリスに「フェブラリーS(G1)に出走してほしい」の声……今週出走の「10年に一頭」といわれる大器が世界の頂点を目指す「G1級」の一戦
今年も春の開幕に向け、じょじょに盛り上がりを見せ始めている3歳クラシック路線。しかし、冬もたけなわの2月となり、どれだけクラシックの足音が聞こえようとも、この世代の「最高傑作」はダート馬のエピカリス(牡3歳、美浦・萩原清厩舎)という声は止まない。
昨年8月のデビュー戦を6馬身差で圧勝したエピカリス。だが、それは「10年に一頭」といわれる大器が魅せる”劇場”の始まりに過ぎなかった。
2戦目のプラタナス賞(500万下)で、今度は7馬身差の圧勝。最後の直線で各馬が追い出しに入る中、1頭だけ持ったままで先頭に並びかけるという異様な光景は、この馬の底知れぬスケールを物語るに十分なインパクトを残した。騎乗したC.ルメール騎手も、ただ「強い、強い」と諸手を挙げて絶賛している。
続く北海道2歳優駿(G3)では初の重賞挑戦だったが、戦慄さえ覚えるレースを展開した。
単勝1.0倍で”元返し”という状況の中、外から抜群のスタートを決めるとそのままハナに立ちレースの主導権を奪う。残り800mを切ったところで、じょじょに各馬の動きが慌ただしくなるが、先頭を1頭だけ馬なりで走るエピカリスに並び掛けることさえできない。
レースが大きく動いたのは、いや、「決した」のは最後の直線の入り口だった。
各馬にムチが入り、完全にスパート態勢になっているのを尻目に、ルメール騎手が手綱をわずかに扱いただけで、あっという間に後続を突き放したエピカリス。一瞬のうちに5馬身以上のセーフティリードを築き上げると、終始馬なりのままデビュー3連勝を飾った。