JRA きさらぎ賞(G3)「マテンロウ」横山典弘が主役再び!? 「勝ち負けになると思う」G1好走の逸材に名トレーナーが自信あり
1月から開催されていた1回中京競馬は、今週で最終週を迎える。開催のトリを務めるのが、6日に行われる3歳重賞・きさらぎ賞(G3)だ。
『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは、現在リーディング首位の川田将雅騎手が跨るダンテスヴューが1番人気となっている。1歳上の半兄は、先月の日経新春杯(G2)を制したヨーホーレイク。兄が2着に惜敗した借りを弟が返せるかどうかに注目だ。
また、武豊騎手のアスクワイルドモアも3番人気と下馬評は高い。武騎手のJRA平地G1完全制覇がかかった前走のホープフルS(G1)は、道中で落鉄した影響もあり10着。消化不良の一戦だっただけに、叩き2戦目で本領発揮を期待するファンも多いだろう。
その実績馬アスクワイルドモアを上回る2番人気想定となっているのが、今回がキャリア3戦目のマテンロウレオ(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)だ。
デビュー戦は中団の7番手からメンバー最速の末脚を繰り出して勝利。決め手はもちろんのこと、新馬の段階で狭いスペースを割って競り勝つセンスの高さが光る強い内容だった。
そして、高い競走センスは一気に相手が強くなった次戦のホープフルSでも発揮された。勝負所の4コーナーでスピードを落とすもったいない場面がありながら、ゴール前でよく伸びて6着。スムーズに加速していれば、馬券圏内は更に際どかっただろう。
昆師によると、2戦目は東京スポーツ杯2歳S(G2)を予定していたが、歩様が乱れていたため自重。ただ、代わりに出走したホープフルSも中々調子が上がってこなかったという。
本調子ではない状況で、G1で掲示板に迫る走りをしたなら、相手が楽になるG3なら好勝負可能だろう。昆師も『スポーツ報知』の取材で「前の出来であれだけ走れたから勝ち負けになると思う」と、自信を隠さなかった。
そんな本馬の鞍上を任されているのが、デビュー戦から手綱を取り続けている横山典弘騎手だ。
同騎手といえば昨年、1995年から続いた重賞連続勝利が途切れたものの、今年は1月の時点で、重賞2勝と完全復調気配。中でも多くのファンから称賛されたレースが、マテンロウオリオンで制した先月のシンザン記念(G3)だろう。
最後方から追い込み勝ちを決めた前走から一転。好位3、4番手から直線で最内から抜け出す技ありの好騎乗でパートナーを勝利に導いた。
今回はそのシンザン記念と同じ中京で行われる3歳重賞で、マテンロウオリオンと同じ馬主と厩舎、騎手であるマテンロウレオが出走する。
2008年に日本ダービー(G1)を制した名トレーナーが太鼓判を押したのだから能力は通用するはず。再び中京の3歳重賞で、白に桃星散の勝負服を身にまとった横山典騎手が先頭で駆けることに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……