サトノアレスがスプリングS(G2)からクラシックの主役を見据えて始動。未だベールに包まれた2歳王者の「実力」は
無論、サンプル数が少ないため一概に言えない前提はある。だが、上記の表を見た限りでは昨年の朝日杯FSが過去2年のレベルと比較して遜色ないことがうかがえる。むしろ古馬1600万下となる元町Sとのタイム差だけで比較すれば、タイム差なしは「最も優秀」といえる内容だ。
また、昨年の朝日杯FSのレベルが疑問視されたままである理由として、単純に上位馬が出走していないという点が挙げられる。
1着サトノアレスと2着モンドキャンノが今週19日のスプリングS、3着ボンセルヴィーソが今週18日のファルコンS(G3)、4着ミスエルテが桜花賞(G1)直行と、軒並み上位馬の出走がなかったため、いわば未だベールに包まれたような状況になっているのだ。
ちなみに5着トラストが年明けのシンザン記念(G3)で敗れているが、この馬は朝日杯では、勝ったサトノアレスから0.7秒差とやや着差がある。シンザン記念では0.4秒差の4着だったが、ではサトノアレスが出走していれば楽勝だったという考え方は、あまりに乱暴といえるだろう。
以上から、サトノアレスが勝利した朝日杯FSのレベルは一定以上の水準を満たしていることがわかる。
ただし、そこからわかることはサトノアレスが、父ディープインパクト産駒が得意とする「広いコースでのマイル戦」でなら、2歳王者と呼ばれるに相応しいレベルにあるということだけである。
というのも、本馬は初勝利を上げた中山1800mの未勝利戦から、東京のマイル戦で2勝目を上げたベゴニア賞で大きくパフォーマンスを向上させているからだ。その傾向は本馬の血統を紐解けば、ますます色濃く見えてくる。