JRA令和のサイレンススズカVSツインターボ「論争」がついに決着!? 大阪杯(G1)大本命エフフォーリア轟沈の裏で「後継者」2頭が明暗

撮影:Ruriko.I

 3日、阪神競馬場で開催された大阪杯(G1)は、8番人気の伏兵ポタジェが優勝する意外な結末。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたエフフォーリアは9着に敗れ、よもやの敗戦に多くのファンが驚きを隠せなかった。

 また、エフフォーリア打倒の対抗筆頭格として期待された2番人気ジャックドールも5着に敗戦。一騎打ちムードが濃厚だったレースは、2頭が揃って馬券圏外に追いやられ、3連単の払戻しも53万馬券と荒れに荒れた。

 多くのメディアやファンから「令和のサイレンススズカ」と評する声が出ていたジャックドールだが、以前に陣営が話していたように今後は控える競馬も視野に入ってくるかもしれない。

 そこで触れておきたいのは、同じく逃げで素質を開花させたパンサラッサの存在だ。「令和のサイレンススズカ」ジャックドールに対し、「令和のツインターボ」と評されていたのがパンサラッサだった。

 奇しくも同じタイミングで出現した逃げ馬2頭だが、両馬のスタイルでどちらがサイレンススズカに近いイメージだったのかを考えると、ジャックドールよりもパンサラッサではなかったか。

 なぜならジャックドールの逃げは、5連勝したレースすべてが前半の1000mより後半が速くなるいわゆる“後傾”でのもの。金鯱賞(G2)のレコード勝ちにより、1998年の優勝馬サイレンススズカと比較されたものの、偉大な先輩は前後半の1000mを58秒1-59秒7で大差勝ちしていた。

 天皇賞・秋(G1)で悲運の死を遂げるまでの6連勝すべてが“前傾”だったサイレンススズカと“後傾”のジャックドールは、キャラクター的に符合しないだろう。

 これに対し、パンサラッサの方はより“スズカ色”の強いレースラップを刻んでいる。昨年10月のオクトーバーS(L)で大逃げを披露してから飛ばして逃げるスタイルを確立。有馬記念(G1)では13着に大敗するも、今年の中山記念(G2)を前半1000m57秒6で飛ばしした1分46秒4の勝ち時計は98年のサイレンススズカを上回った。

 パンサラッサの快進撃はこれだけでなく、3月のドバイターフでも前年の勝ち馬ロードノース相手に1着同着となり、G1初勝利を挙げた。ツインターボの重賞実績がG3勝ちまでということを考えれば、すでに本家を超えている。

 以上、「令和のサイレンススズカ」を巡るジャックドールVSパンサラッサの比較を踏まえると、現状の後継者として一歩リードしているのはパンサラッサといっていいだろう。

 ネットの掲示板やSNSなどではジャックドール派が優勢だが、個人的にはパンサラッサこそ相応しい派として1票を投じたい。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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