JRA桜花賞(G1)「裏切り続き」横山武史に試練の春!? ナミュールも勝ち馬条件クリアならず…… レシステンシア、エフフォーリアに続く連敗も現実味
高松宮記念、大阪杯と2週続いた春のG1開催は、いずれも8番人気馬が勝利。1番人気馬は馬券にも絡めない波乱の結果となった。
そんな波乱続きの結末に一役買ってしまったのが、レシステンシアとエフフォーリアに騎乗していた横山武史騎手だ。
重馬場の高松宮記念は、前半3ハロンを33秒4で逃げてハイペースを演出。後ろの馬に有利な展開となった結果、6着に敗退。初騎乗のパートナーということもあり、自身のイメージと違いがあったのかもしれないが、「何で負けたんだろうという感じ」とコメントが出たように、首をかしげるしかなかった。
ただ、大阪杯のエフフォーリアについては、デビューからずっと誰にも手綱を譲らなかったパートナー。G1・3勝を挙げている昨年の年度代表馬なら負けるわけにはいかなかっただろう。
ところが、単勝1.5倍の断然人気に支持したファンの期待も虚しく、現役最強馬は見せ場もないまま9着に凡走。レース後のコメントで横山武騎手は、輸送で調整に誤算があったことや1週前追い切りからピリッとしてなかったことなどを敗因に求めた。
元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「心配になる、よくない負け方」と評した惨敗だけに、こればかりは横山武騎手を責められない。
桜花賞(G1)でコンビを予定しているナミュール(牝3、栗東・高野友和厩舎)もまた、1番人気が濃厚。そろそろ連敗を止めないと、昨年のブレイクで手に入れた現在のポジションが危うくなる。
しかし、連敗ストップの期待が大きいナミュールにも、不安がないわけではない。
まず注目したいのは、過去10年における桜花賞勝ち馬の馬体重である。前走のチューリップ賞(G2)に出走した際の馬体重は430キロ。最も多かったときも2戦目の440キロであり、最小体重だった2012年の桜花賞馬ジェンティルドンナが出走時の456キロを大幅に下回る。
また、G2に昇格して以降のチューリップ賞組から本番で勝ち馬も出ていない。直近の勝ち馬では16年のジュエラー、両レースを連勝しただと14年のハープスターまで遡る必要がある。
勿論これはジンクスといえるものであり、今年のナミュールにそのまま当てはまるかどうかは分からないが、「歴史は繰り返す」という意味では、懸念材料であることに変わりはない。
最も信頼していたエフフォーリアでの敗戦が、強気な騎乗が持ち味の若武者から自信を奪うようなことに繋がれば、それだけナミュールの勝利が遠のくことにもなりかねない。
負の連鎖を断ち切るためにも、今回は是が非でも結果が欲しいところだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。