キタサンブラック×武豊コンビにも不可能な「珍記録」? 1984年グレード制導入以来「史上初」の快挙へ向けてアンビシャスが大阪杯連覇に挑む!
1989年スプリンターズS(G2):ウィニングスマイル
1990年スプリンターズS(G1):バンブーメモリー
1995年高松宮杯(G2、芝2000m):マチカネタンホイザ
1996年高松宮杯(G1、芝1200m):フラワーパーク
1996年フェブラリーS(G2):ホクトベガ
1997年フェブラリーS(G1):シンコウウインディ
(※JRA-VAN公式ホームページによると、NHKマイルCは前進であるNHK杯からの格上げではなく、3歳マイル王決定戦として『新設』の形式を取っている)
高松宮杯は施行距離が大きく変わっているので仕方がない面もあるが、条件の変わっていないスプリンターズSとフェブラリーSでも連覇はなされていない。ホクトベガほどの名馬であれば、フェブラリーS連覇は可能だったような気はするものの、格上げ後の1997年には同時期の川崎記念に出走している。
なんにせよ、以上からわかるように格上前後での連覇はこれまで一度もなされていない。つまりアンビシャスには、JRA史上初の快挙達成の可能性が残されているということなのだ。
そんな同馬の肝心の状態面はどうだろうか。デイリースポーツの取材によると、栗東坂路で行われた水曜追いの内容は順調そのもの。4F51秒6-12秒8の好時計をマークし、G1制覇へ向けて視界は良好である。
音無調教師は「上積みはある。息の面などは違ってくるはず」とコメントを残し、休み明けを叩いて状態面が上向いている点を強調した。初コンビとなる福永騎手も「前半出していくと(ハミを)噛みそうだが、普通に乗れば大丈夫。能力的にG1を勝てる馬。うまく流れに乗れればチャンスはある」と、調教の動きで手応えを掴んだようだ。
アンビシャスは新設G1初代チャンピオンの座を射止められるのだろうか。またとない「珍記録」達成もかかるだけに、注目して見守りたい。
(監修=下田照雄(栗東担当))