秋G1主役候補の主戦騎手が「降板」……ほぼノーミスも“非情”采配に同情の声

ダンシングプリンス 撮影:Ruriko.I

 16日、盛岡競馬場ではダート1200mのクラスターC(G3)が行われる。今年は前年の覇者リュウノユキナや3歳馬リメイクなど、中央・地方合わせて14頭が出走予定だ。

 なかでも目下の注目馬は重賞3連勝中のダンシングプリンス(牡6歳、美浦・宮田敬介厩舎)だろう。

 昨年のカペラS(G3)で初タイトルを手にすると、今年2月にはサウジアラビアのリヤドダートスプリント(G3)を制覇。帰国初戦の前走・北海道スプリントC(G3)でも逃げ切り勝ちを収めたことで、秋に開催されるJBCスプリント(G1)の主役候補と目されている。

『netkeiba.com』が報じた記事によると、管理する宮田師は前走の後「JBCスプリントを最大目標に置いているので、状態次第でクラスターCは使わずに本番直行も」とも話していたようだが、最終的には出走を選択したようだ。

 今年のJBCスプリントは盛岡で開催されるため、同舞台であるクラスターCへの出走は経験の意味でもメリットが大きいと思われる。鞍上のC.ルメール騎手も当然、本番を見据えての起用だろう。どのような競馬を見せてくれるか楽しみにしたい。

三浦皇成騎手

 その一方で、ダンシングプリンスからの降板が決定的となってしまったのが、元主戦の三浦皇成騎手である。

 同ジョッキーは本馬の中央再転入初戦となった一昨年4月の1勝クラスからコンビを組むと、そこから3連勝。福島のダート1150mを1分6秒1で駆けた2戦目の彦星賞(2勝クラス)は、JRAレコードのオマケ付きでもあった。

 その後、オープンに昇級してからの2戦は落としたものの、昨年4月の京葉S(L)で結果を出すと、8ヶ月の休養を挟んで臨んだカペラSで見事に初重賞制覇を成し遂げている。

 三浦騎手はレース後、「ダートの短距離で大きいところを獲りたいと思っている。これから重賞ウィナーとして、さらに大きな舞台で戦っていけると思う」とコメント。人馬で砂のスプリント界の頂点を視野に入れていたのではないだろうか。

 しかし、サウジアラビアで本馬とタッグを組んだルメール騎手が完璧なレース運びで優勝に導くと、風向きがやや変わったか。北海道スプリントCでは地方所属の落合玄太騎手に鞍上を明け渡すと、今回のクラスターCでも手綱が戻ってくることはなかった。

「陣営は同条件で行われる秋の大舞台を見据えてルメール騎手に依頼していると思われますので、三浦騎手はこのままお役御免となることが濃厚なのではないでしょうか。

ダンシングプリンスの騎乗に関して、ミスらしいミスは無かったと思われますが、相手がJRA最強のルメール騎手であるだけに、こればかりは弱肉強食の常としか言いようがなさそうです」(競馬誌ライター)

ほぼノーミスも“非情”采配に同情の声

 ちなみに三浦騎手が本馬で敗れたのはわずか2戦のみ。一昨年のカペラSは初重賞挑戦だったものの3着に健闘しており、大和S(OP)では最後の直線で馬が足跡に驚いたのか、スムーズさを欠くなどの不運に見舞われていた。

 それらを考慮すれば、ほぼノーミスといっていいかもしれない。

 そんな背景もあって今回の降板劇には、ネット掲示板やSNSなどでも「ほとんど失敗していないのに可哀想」「三浦騎手に手綱が戻らないのは悲しい」といった声が一部のファンから上がっている。

 14日の関屋記念(G3)ではウインカーネリアンを勝利に導き、その存在ぶりをアピールした三浦騎手。果たしてダンシングプリンスと再びコンビを結成する日はやってくるだろうか。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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