「サトノダイヤモンドはついに完成の域へ」「工夫に工夫を重ねた仕上げのシュヴァルグラン」鈴木和幸が見極めた全17頭の状態。天皇賞(春)出走馬の最終追い切り診断公開中!
「シュヴァルグラン」もいつもにも増して中間はハード。坂路、ウッドで工夫を重ね、8本もの時計を出している。20日にはウッド6F79秒4-37秒5-12秒2ときた。今週は坂路で実戦並みの併せ馬、いっぱいに追われるとグイグイとストライドを伸ばし、53秒5-39秒0-13秒1で2馬身半も先着した。この時計はとくに速いものではないが、調教駆けしなかった馬が中間に前記のように動いているし、以前とは前向きさが違う。工夫に工夫を重ねた仕上げの成果が楽しみである。
「スピリッツミノル」はウッドで3頭併せと意欲的だったが、相手2頭に遅れてしまい、最後は余力がなくなっての6F85秒2-38秒2-12秒2。これでは前走の阪神大賞典でつけられた5馬身以上の差は詰められまい。
同じようにウッドで3頭併せの「タマモベストプレイ」だが、6F84秒9-39秒4-11秒9をマークしたものの脚色に余裕はなく、追われての反応もイマイチ、良化は見られなかった。もっともすでに7歳、35戦もしてきているのだ、変わり身を求める方が酷である。
昨年の皐月賞馬の「ディーマジェスティ」。先週のウッド6F79秒8-37秒4-12秒4の追い切りを見て、かなり復調してきたなと感じていた。今週の追い切りは、5F66秒3-37秒9-12秒4の好タイムで追走併入。だいぶ体が絞れ、引き締まってきた気もする。ただ、この併入は相手がほとんど追わず、自身は強めに追ってのもの、過信はできない。皐月賞を勝ったときには馬なりで3F37秒5、1F12秒2が出ていた。90点までか。
ただ1頭木曜日に追い切った「トーセンバジル」はウッド5Fからスタート、直線で先行していた馬の内に入ると並ぶ間もなくこれを交わし、66秒5-37秒1-12秒0の好タイム。これで馬なりは前走3着時と変わらない内容のよさ。前走の阪神大賞典が3カ月ぶりだったことを考えると、2戦目の今回はもっと動けそう。2着シュヴァルグランとの0秒4差をどこまで詰めるだろうか。
「ファタモルガーナ」は3頭併せ、最先着のウッド6F81秒1-38秒9-12秒4なら合格点、最後まで乱れのないしっかりとしたフットワークだった。あとはこのメンバーに入っての力関係、ちょっと強調点が見当たらない。
牝馬「プロレタリアト」は、ウッドの4Fからの3頭併せ、馬なりで併入の52秒7-38秒8だが、ラスト1Fが13秒8と遅く、これといった良化はない。前2戦の成績が成績だし、これでは電光掲示板に残ることさえ難しい。