【天皇賞(G1)回顧】武豊のキタサンブラックがディープインパクトのレコードを破って連覇達成!サトノダイヤモンドとの「世紀の対決」を制し現役最強宣言!
大歓声の正面スタンド前を通過し、向正面に入る。ヤマカツライデンの勢いは留まらず、15馬身程度となったこともあってスタンドからはどよめきが上がった。隊列は縦長のままで大きな変化もなかったが、残り1000mを通過したところでいよいよヤマカツライデンが一杯になり始めたのか、キタサンブラックとの差がみるみる詰まっていく。
勝負どころの淀の坂を迎え、残り800mを切ったところで後続のペースが一気に上がった。
キタサンブラックが動いたことによって、後続が連動するようにペースを上げたのだ。残り600mで縦長だった一気に馬群が凝縮し、シュヴァルグラン、サトノダイヤモンドといったところが先頭を射程圏に入れるところまで押し上げた。
だが、主導権を握っているのはヤマカツライデンを馬なりのまま交わして、先頭に躍り出たキタサンブラックだった。
キタサンブラックが先頭のまま最後の直線へ。早めに取りつこうとしたシュヴァルグランが必死に食い下がるが、差が一向に縮まらない。そこに外からサトノダイヤモンド、内からアドマイヤデウスが襲い掛かるが、こちらもキタサンブラックが作り出した厳しいペースについていけず、並びかけることさえできない。
強かった。残り400mはキタサンブラックが「現役最強」であることを証明するためだけにあるような、あまりにも圧巻で、あまりにも壮絶なクライマックスだった。
「さすがに最後は一杯一杯でした。この馬しか耐えられないペースだし、本当にタフなレースになった」
勝利騎手インタビューに応じた武豊騎手は喜びを爆発させるというよりも「天皇賞・春の連覇達成」という最高の結果をもって責任を果たした充実感が見て取れた。