武豊×インゼル期待馬が「シンガリ」発進…ディープインパクト後継種牡馬が苦戦続き
18日、阪神競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦(芝2000m)は、後方からレースを進めたゴールドシップ産駒の1番人気マイネルラウレアが、最後の直線で大外から豪快に突き抜けて優勝した。
鞍上の横山武史騎手はレース後、「走るが、まだ敏感なところもある」とやや厳し目のジャッジ。能力があることは間違いなさそうだが、今後は気性面での成長がカギとなってきそうだ。
一方で、武豊騎手が騎乗して注目を集めたサクソンウォリアー産駒のオストファーレン(牡2歳、栗東・大久保龍志厩舎)は、単勝9.6倍の支持を受けたものの8頭立ての最下位に終わってしまった。
一口馬主クラブ・インゼルレーシングにて総額3900万円で募集された同馬は、近親に全欧2歳牝馬チャンピオンにも選出されたビントアライルなどがいる良血馬だ。
同クラブのカタログにおいても「日本の高速馬場に上手く対応し、後続馬に影も踏ませず駆け抜ける姿が目に浮かびます」と紹介されていたことで、どのような走りを見せてくれるか期待したファンも多かったことだろう。
スタートして1コーナーまでにハナを奪うと、1000m通過65秒5の超スローに落とし込む。この時点では、カタログに記載されていた通りの圧逃劇を脳裏に浮かべたファンもいたかもしれない。
しかし、向正面を過ぎて以降はみるみると手応えが怪しくなり、手綱も追っ付け通しに。直線に入るとすぐに後退して行き、ブービー7着の馬からさらに大差がついたシンガリに敗れている。
「決して失速するようなペースではなかっただけに、これは厳しい結果になりました。直線では一応ステッキも入れられていることから、故障などを発症したわけでもないと思います。
1コーナーの入り口で外側にヨレており、またバックストレッチに向かうあたりでも肩ムチが数発入っていたところを見ると、馬がまだまだ走ることに集中していなかったのかもしれません。心身ともに成長待ちといったところでしょうか」(競馬誌ライター)
レース後にはSNSやネットの掲示板などにも「このペースで行って最後に失速するとは」「圧倒的にスピード不足」「ダートならまだワンチャンあるかも」といったやや厳しいコメントが並んだ。
ディープインパクト後継種牡馬が苦戦続き
また本馬の父であり、ディープインパクトの後継種牡馬候補の1頭であるサクソンウォリアーの産駒も、2歳世代はJRAで未勝利。本馬を含めてこれまで5頭がデビューを果たしたものの、馬券圏内に入った馬が1頭もいないように、かなりの苦戦を強いられている。
ちなみにインゼルレーシングのサクソンウォリアー産駒は今夏、大器と噂されたフォルミマジックが1番人気で初陣を迎えたが、まさかのブービー15着に惨敗。同馬は今月4日の中京で復帰したものの、そこでも特に見せ場なく8着に敗れている。
他にもインゼルレーシングは1歳世代に募集価格4200万円のサクソンウォリアー産駒ダンシングオンエアの2021がスタンバイしているだけに、今回のオストファーレンで何とか結果を出しておきたいところだったかもしれない。
今回は残念な結果となったが、オストファーレンは調教で目立つ動きを見せていたことから、素質を秘めていることは確か。上手く立て直して、次戦以降に変わり身を見せることができるだろうか。