武豊×名門馬主「5年ぶり」勝利ならず…国民的漫画ファン注目も直線で“惨事”に

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 24日、阪神競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝1800m)は、好位外目を追走した3番人気のプッシュオンが、直線で早め先頭からそのまま押し切って優勝した。

 騎乗した松山弘平騎手は「勝負どころで少しフワッとしたが、最後まで長く脚を使ってくれた」と上々の評価。オーナーのライオンレースホースはこの日、オックスリップも中山5Rの新馬で1着と東西の新馬戦で連勝を飾った。

 一方で、4番人気に推されたものの見せ場なく9着に敗れたのが、武豊騎手とエアサンジ(牡2歳、栗東・笹田和秀厩舎)のコンビである。

 エピファネイア産駒の同馬は、今年のマイルCS(G1)で7着に入ったエアロロノアの半弟。栗東坂路の1週前調教で好タイムをマークしたこともあり、管理する笹田師は「素質を感じる。楽しみな馬です」と戦前から期待を口にしていた。

「冠名『エア』でお馴染みのオーナー・ラッキーフィールドと武豊騎手が新馬戦でタッグを組むのは、2020年9月のエアシュラブ以来、約2年3ヶ月ぶりのこと。

かつては女帝エアグルーヴや二冠馬エアシャカールで一世を風靡した両者ですが、今回はエアスピネルで制した17年10月の富士S(G3・当時)から約5年遠ざかっているコンビでの白星にも期待が高まっていました」(競馬誌ライター)

国民的漫画ファン注目も直線で“惨事”に

 ちなみに本馬の母であるエアワンピースの仔は、サンジやロロノアの他にもエアハンコックやエアミホークなど、国民的少年漫画『ONE PIECE』(集英社)の登場人物の名がつけられている。

 それもあってかネットの掲示板やSNS等では「ONE PIECEが好きなので応援してます」「麦わらの一味がんばれ」といった声も見られるなど、今回のエアサンジの出走には一部のONE PIECEファンからも注目が集まっていたようだ。

 レースでは2枠3番から五分のスタートを切ったエアサンジだったが、徐々に後ろへ下がって行くと、道中は中団後ろのインコースという、やや動きづらい位置からの競馬となる。

 最後の直線に向くと前が壁になる大渋滞のポジションに入ってしまい、隣にも馬が複数いたため外に出すこともできず万事休す。ほとんど見せ場を作れずに勝ち馬から1秒以上離されて入線した。

 上位人気の支持を集めていたこともあってだろうか、レース後のSNSやネット掲示板などには「まったく伸びてこない」「最後の直線は大惨事だったな」「そもそもスピード不足なのでは」など、やや厳しい声が寄せられることに。

 また中には「サンジだけに両枠が牝馬で集中できなかったのかも」という、ワンピースのキャラクター性にちなんだコメントも見受けられた。

「調教では時計が出ていたので期待していましたが、終始馬群に包まれるようなポジションで窮屈な競馬を強いられてしまいましたね。フルゲート18頭立ての内枠というのが結果的には裏目に出たかもしれません。

ただ、最後の直線は確かに前が塞がっていましたが、進路が開けてからもそれほど目立った脚は見られませんでした。そのため今回は単純に力負けだった可能性もありそうです」(同)

 今回は残念な結果になったエアサンジだが、今ではバリバリのオープン馬である兄エアロロノアも初勝利は3歳4月と遅かった。遅咲きの血統かもしれないだけに、次戦以降での巻き返しに期待したいところだ。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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