川田将雅が名門クラブと「疎遠」!? 乗鞍・勝利数ともに激減、過去一レベルの大きな溝
「たくさんの有力馬の騎乗依頼をいただきました。多くの関係者、頑張ってくれた馬に感謝しかないです」
昨年12月28日。JRAの開催最終日を終え、悲願のリーディングを獲得した川田将雅騎手は、そう喜びを口にした。
一昨年までC.ルメール騎手が5年連続でリーディングに輝く中、川田騎手は3年連続2位と涙を飲み続けた背景がある。それでも、昨年はデビュー19年目にして掴んだ初戴冠に加え、最高勝率、最多賞金獲得の三冠を達成し、史上4人目となる騎手大賞を受賞。自身が語っていた通り、多くの関係者との信頼を勝ち取ったことが、過去最高の結果に繋がった。
川田将雅騎手が名門クラブと「疎遠」!?
そんな順風満帆に映る川田騎手ではあるものの、気になる点がないわけではない。昨年から特に顕著といえるのが、キャロットファームの所有馬に騎乗する機会が少なくなっている点だ。
キャロットファームといえば、サンデーレーシングやシルクレーシングなどと並ぶノーザンファーム系一口馬主クラブ。これまでシーザリオやエピファネイアらの母子に跨ぐG1制覇をはじめ、近年はリスグラシューやエフフォーリアら2頭の年度代表馬を輩出するなど、輝かしい実績を誇る名門だ。
かつて川田騎手とのコンビでも、ハープスターの桜花賞(G1)、クリソベリルのチャンピオンズC(G1)、レイパパレの大阪杯(G1)など数々の大レースを勝利。特に、2年前の大阪杯(レイパパレ)で三冠馬コントレイルや女傑グランアレグリアらを退け勝利した際には、キャロットファーム代表の秋田博章社長も「直線は馬場のいいところを走らせるジョッキーの絶妙な判断でしたね」と川田騎手の手綱捌きを絶賛している。
ただ、川田騎手は昨年10月の天王寺S(3勝クラス)でキャロットファームのジレトール(1番人気、8着)に騎乗したのを最後に、約3カ月の間コンビ結成から遠ざかっている。近5年でも、両者の間にここまで間隔が空いたことはない。
一時はキャロットファームの主戦騎手のような存在だった川田騎手だが、2020年48戦17勝→2021年39戦13勝→2022年23戦4勝と、近年は乗鞍・勝利数ともに減少。徐々にその関係性が薄れている。
「近年はクラブを代表するエフフォーリアの功績もあってか、キャロットファームは横山武史騎手を起用する機会が多く見受けられます。昨年の重賞でも実に15回の騎乗を任され、2番目に騎乗が多かったルメール騎手(6回)との差も歴然でした。
それに対し川田騎手は、レイパパレの4戦とセントウルS(G2)で騎乗したモントライゼの5回。3年連続で続いていたコンビでの重賞勝利も途絶え、主戦を任されていたレイパパレも昨年の香港カップ(G1)を最後に引退となりました。
また、キャロットファームの現3歳世代についても、昨年から川田騎手は新馬に一度も騎乗していません。これでは今後の重賞戦線だけでなく、クラシックでコンビが見られる可能性もグッと低くなりそうです」(競馬誌ライター)
昨年リーディングを獲得した川田騎手とはいえ、年間の勝利数で毎年上位に入るキャロットファームと疎遠にもなれば、自身の勝利数や重賞勝ちにも今後影響が見られるかもしれない。
はたして、かつてのG1コンビが再び大舞台を沸かせる日は訪れるだろうか。