イクイノックス「現役世界最強」評価も3歳世代に物足りなさ…シルクレーシングの「負のジンクス」発動でクラシックに黄信号!?
昨年末の有馬記念(G1)で圧勝を飾り、先日には2022年度の年度代表馬に選ばれたイクイノックス。記者投票288票中282票(得票率97.9%)を獲得する文句なしの受賞で、多くの関係者やファンに国内最強を印象付けた。
そんなイクイノックスに対し、世界の競馬関係者も高い評価をつけたようだ。
17日に国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表した「22年ロンジンワールドベストレースホースランキング」によると、米国のフライトライン(140ポンド)や英国のバーイード(135ポンド)に続き世界3位にランクイン。126ポンドで豪州のネイチャーストリップとタイだったものの、上位2頭はすでに引退しているため、現役馬の中では世界最高評価を得たことになる。
イクイノックスは明け4歳で、今後の活躍を大いに期待できる存在だ。所有するシルクレーシングにとっても、今年は安泰といったところだろうか。
だが、そんなシルクレーシングにも気がかりな点がないわけではない。古馬には絶対的エースとなるイクイノックスがいるものの、3歳世代には現時点でクラシック候補と呼べるような大物がいない状況なのだ。
「負のジンクス」発動でクラシックに黄信号!?
3年前の朝日杯フューチュリティS(G1)を制したサリオスや、2年前の東京スポーツ杯2歳S(G2)を勝ったイクイノックスのように、近年は2歳時からクラシック候補に恵まれてきたシルクレーシング。上記2頭はいずれも皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)で2着に敗れたが、早くから世代を代表する存在だった。
しかし、現3歳世代についてはどうだろう。昨年は重賞勝ちどころか、3着内に好走した馬もいない。札幌2歳S(G3)のブラストウェーブ(5着)やファンタジーS(G3)のアロマデローサ(10着)など、上位人気に推された所属馬も悉く敗れた。
今年に入ってもいまだ重賞勝ち馬は出ておらず、好走例としてもシンザン記念(G3)でペースセッティング、フェアリーS(G3)でメイクアスナッチがいずれも2着したのみ。近年と比べると、この世代はやや物足りない印象だ。
「クラシックに有力馬を送り込むことも少なくないシルクレーシングですが、現3歳世代については大物不在といったところでしょうか。新馬や未勝利を勝ち上がっている馬は結構いるのですが、昇級後に苦戦しているケースが目立ちます。
また2017年からの近5年でみても、2歳重賞で3着内の好走がなかった世代は、翌年のクラシックで好走馬がでない負のジンクス(「0-0-0-7/7」)のようなものもあります。勿論、これから大物候補が現れる可能性はありますが、それでも近年の傾向通りなら、今年のクラシックは苦戦を強いられるかもしれません」(競馬誌ライター)
イクイノックスというクラブを代表する存在がいるとはいえ、一つ下の世代に目を向ければ「負のジンクス」が発動中ともいえるシルクレーシング。クラシックへ黄色信号が灯っている3歳世代に、はたしてこの先大物は現れるだろうか。