京都記念(G2)「徹底マーク」武豊×的場均ライスシャワーもなす術なし、ビワハヤヒデ「7馬身差V」は“顔”以上のインパクト!?

 昨年のダービー馬ドウデュースと2年前の年度代表馬エフフォーリアの初対決で注目を集める今年の京都記念(G2)。京都競馬場が4月のオープンに向け改修工事中のため、3年連続で阪神競馬場が舞台となる。

 過去には今年と同じく阪神の芝2200mで開催され、2頭のクラシックウイナーが激突した京都記念があった。それが29年前の一戦である。

 1994年2月13日、阪神メイン11Rに登場したのは、ビワハヤヒデとライスシャワーの菊花賞馬2頭だった。

 断然の1番人気に推されたのは、その年の古馬中長距離路線を牽引することになるビワハヤヒデ。前年の牡馬クラシック戦線では、皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)で連続2着に惜敗するも、秋は菊花賞(G1)で一矢報い、1番人気で臨んだ年の瀬の有馬記念(G1)で、奇跡の復活を遂げたトウカイテイオーの2着に敗れていた。

 関東圏の競馬場ではなかなか勝ち切れない馬だったが、地元の京都と阪神では生涯負けなし。そんなビワハヤヒデの古馬初戦は戦前から確勝ムードが漂っていた。

 ファンもビワハヤヒデを単勝1.2倍の1番人気に支持。ライスシャワーは3戦連続で掲示板を外す不振に陥っていたこともあって、大きく離された2番人気と、レース前から菊花賞馬2頭の明暗は分かれていた。

 10頭立てで行われたレースは、6枠6番からビワハヤヒデが好スタートを決めて先行。道中はハナを主張したルーブルアクトを右斜め前に見る2番手を進んだ。

 最初のコーナーを曲がって隊列が決まると、ペースは落ち着き、かなりスローな流れ。ビワハヤヒデは掛かり気味になりながらも岡部幸雄騎手が必死になだめて、いつでも抜け出せる定位置をキープした。

 この大本命馬をぴったりマークするようにインで脚を溜めたのは、武豊騎手騎乗のニホンピロナーリー。1500万下(当時・現3勝クラス)からの格上挑戦にもかかわらず、4番人気に支持されていた。

 そして先行集団の直後に構えたのが的場均騎手のライスシャワーだった。

 序盤はゆったりと流れたレースも、向正面に入ると様相が一変。内から武騎手とニホンピロナーリーが早くも仕掛けてビワハヤヒデに馬体を併せにいくと、それを見た的場騎手とライスシャワーも外から動いていった。

 東西の名手2人が徹底マークする展開の中、岡部騎手とビワハヤヒデは全く意に介さず。泰然自若の構えを崩さなかった。

 3~4角の勝負所では各騎手が必死に手綱をしごき、ムチも飛んだ。しかし、岡部騎手だけは馬なり。余裕の手応えのまま最後の直線を迎えた。

「7馬身差V」は“顔”以上のインパクト!?

 4角を待たずして脱落したのはライスシャワー。ビワハヤヒデとは一度も馬体を並べることなくズルズルと後退していった。4角まで何とか食らいついたのはニホンピロナーリーの方。しかし、直線ではビワハヤヒデとの差は広がる一方だった。

 最後は楽に抜け出したビワハヤヒデがノーステッキのままゴールイン。ルーブルアクトが2着に逃げ粘ったが、2頭の間には7馬身もの決定的な差がついていた。

 ビワハヤヒデ包囲網を形成した2頭の結果は、ニホンピロナーリーが3着、ライスシャワーは5着。名手2人をもってしても芦毛の怪物の前にはなす術がなかった。

 当時から愛くるしい顔の“デカさ”も手伝ってファンから人気を集めていたビワハヤヒデだが、このレースに関しては“顔”以上にインパクト大の勝ち方だったのではないだろうか。

GJ 編集部

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