JRA武豊が社台期待の一族と初タッグ!兄は大阪杯(G1)有力候補の「未完の大器」、既走馬相手に狙う初戦V
今週末は日曜阪神のメイン、京都記念(G2)に注目が集まっているが、約3時間前に行われる5R・3歳未勝利(芝1800m、牝馬限定)も見逃し厳禁の一戦である。
出走を予定している11頭の中にはワールドプレミアの妹で初戦3着のマンデヴィラ、ジュンライトボルトの妹ピュアグルーヴ、近親にマカヒキがいるハッピーアズラリーといった良血馬がずらりと揃った。しかし、それらの有力馬を押しのけて1番人気に支持されそうなのはメンバーで唯一の未出走馬、ソーダズリング(牝3歳、栗東・音無秀孝厩舎)かもしれない。
ソーダズリングもマンデヴィラらに勝るとも劣らない良血馬だ。父はハーツクライ、母は2008年の桜花賞(G1)で3着に好走したソーマジックである。つまり、兄姉にはソーヴァリアント(父オルフェーヴル)とマジックキャッスル(父ディープインパクト)という2頭の重賞勝ち馬がいることになる。
特に現役馬のソーヴァリアントは故障など様々なアクシデントを乗り越え、これまで重賞2勝を挙げ、この春は中山記念(G2)をステップに大阪杯(G1)を目指している実力馬だ。
連覇を達成した前走のチャレンジC(G3)後には鞍上を務めたC.ルメール騎手が「G1レベルに行ける」と太鼓判を押した素質馬で、次走の結果次第では大阪杯でも上位人気に推される可能性は高いだろう。
そんなソーヴァリアントを筆頭とするこのファミリーは、ソーダズリングを含めて8頭すべてが社台ファームの生産馬。そしてそろって社台レースホースが所有する、まさに社台期待の一族である。
ソーダズリングも例に漏れず、募集当初から大きな期待を懸けられていた。この世代の牝馬としてはライトクオンタムらと遜色ない総額5000万円(一口125万円)で募集され、会員向けのカタログに記されたセールスポイントには、「ボリュームある馬体を持て余すことなく動かす体幹の強さは父譲り」と、1歳時からハーツクライを想起させる雰囲気をも醸し出していたことが分かる。
姉のマジックキャッスルも歩んだ牝馬クラシック路線も視野に昨年9月に一度は栗東に入厩したが、この時は蹄に問題が発生。いったん放牧に出され、調整されてきた。
再び栗東に戻ってきたのは年も明けた1月中旬だった。秋から一段とパワーアップしたソーダズリングは栗東坂路の2週前追い切りで「51秒2-13秒0」をマークすると、1週前には加速ラップで「53秒4-12秒1」の好時計。8日の最終追い切りを「50秒7-12秒3」でまとめると、臨戦過程は整い、いよいよ初陣を迎える。
そんなソーダズリングの鞍上に音無調教師が起用するのは、先週4400勝の大記録を打ち立てた武豊騎手。ソーマジック一族の馬に騎乗するのは実はこれが初めてとなるレジェンドが、既走馬相手にどんなプランで臨むのか注目したい。