ヴィクトリアマイル(G1)レッツゴードンキ復活へ岩田康誠騎手が打った「布石」とは? G1レースを”捨てて”でも主戦騎手が示したかった「意気込み」
「次のレースのことも考えて、無理に前へ行かせることなく自然な形で直線まで走らせました。今日の馬場もよくこなしてくれましたが、勝った馬は強かったですね」
今年3月の高松宮記念(G1)で惜しくも2着だったレッツゴードンキ(牝5歳、栗東・梅田智之厩舎)の主戦・岩田康誠騎手はレース後、悔しさを押し殺しながらも相棒を称えた。一昨年に絶妙の逃げ切りで桜花賞馬となって以来、これが2度目のG1・2着だった。
岩田騎手の語った「次のレース」とは、当然14日行われるヴィクトリアマイル(G1)のことである。
マイルの桜花賞で頂点に立った馬だからこそ、もう一度G1を勝つのもマイルで……だからこそ高松宮記念の惜敗は、後の勝利のために”布石”と陣営は位置付けたのかもしれない。
8日に栗東の坂路で行われたヴィクトリアマイルの1週間前追い切りで、梅田調教師が「6ハロンからマイルに延びる点がカギ」と語っているように、陣営は早くから高松宮記念を使いつつも、ヴィクトリアマイルでどう戦うのかを思案していたようだ。
それは岩田騎手の「次のレースのことも考えて、無理に前へ行かせることなく自然な形で直線まで走らせました」というコメントにも表れている。つまりは、「折り合い」が最大の課題であるということなのだろう。
実際に、レッツゴードンキは折り合いに苦しんできた過去がある。