JRA「福永祐一祭り」はもう始まっていた!? 今年重賞未勝利でも稼ぎ時は多数、狙って“おいしい条件”はこれだ

福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 今月一杯で騎手を引退し、3月から調教師へ転身する福永祐一騎手。サウジアラビアでの騎乗を予定しているため25日、26日の開催には騎乗しない見込みであり、今週末の開催がJRAでの最終騎乗となる予定だ。

 現役ラストデーのG1・フェブラリーSでは、オーヴェルニュとのコンビを予定。下馬評は人気薄だが、昨年カフェファラオで同舞台を制した手腕は侮れないだろう。

 そこで思い浮かぶのは、いわゆる“競馬界あるある”のひとつともいえる、引退の近づいた騎手や調教師らによる“勝負レース”の存在だ。

 対象が騎手なら引退の花道を飾りやすいように、関係者が勝ち負けになりそうな馬を依頼し、調教師や厩務員なら少し先に使う予定だった有力馬を前倒しで使うケースもあるといわれる。公正確保の面で問題がある訳でもなく、競馬界に貢献した相手に粋な計らいといったところだろうか。

 古くは2006年の阪急杯(G3)を11番人気ブルーショットガンで制した松永幹夫騎手(現調教師)や、近年だと2020年のシルクロードS(G3)を6番人気で2着に入った四位洋文騎手(現調教師)などの例もある。前走で大敗していた馬にもかかわらず、間隔を詰めて使われた馬や、重賞で穴馬と初コンビを組んだ際には、後になって「そういうことだったのか」と気付くことも珍しくない。

 今年も福永騎手の引退が発表されているだけに、ちょっとした“福永祭り” がいつあっても不思議ではないと待ち構えているファンも少なくないはずだ。

 とはいえ、肝心の福永騎手が最近の重賞で存在感が薄れていることも事実だ。

 重賞に限れば昨年12月にカペラS(G3)をリメイクで制して以降は、2番人気タスティエーラで4着に敗れた共同通信杯(G3)まで13連敗中。先述したカペラS前には、38連敗と不振が続いていた。その間もコンスタントに上位人気馬に騎乗していたのだから、ファンから不調を心配する声が出たのも仕方がないだろう。

 ただ、先週の開催を終えた今年の全国リーディングで17勝を挙げて5位と悪くはなく、福永騎手の成績はむしろ好調だ。16日現在、重賞以外の成績は「17-10-8-47/82」で勝率20.7%、連対率32.9%、複勝率42.7%をマーク。調教師試験合格の報が届いた昨年12月の同条件が「6- 5- 6-33/50」で勝率12.0%、連対率22.0%、複勝率34.0%だったことと比較すれば、大幅に成績が上向いていることが分かる。

 こうした数字を見る限り、少なくとも今年に入って水面下では“福永祭り”が始まっていたと考えていいのではないか。むしろ騎乗数の少ない重賞より稼ぎ時が多いという見方も可能なのだ。

 となると、勘のいい読者は既にお気づきかと思うが、今週末の狙いはフェブラリーSよりも、それ以外で福永騎手が騎乗するレースを狙い撃つのがおそらく正解。以下に今週の騎乗予定馬の一覧を掲載しているのでご確認いただきたい。

 19日の最終レース終了後の東京競馬場では、福永騎手のインタビューが行われ、その模様はYouTubeのJRA公式チャンネルでライブ配信される。泣いても笑っても騎手・福永祐一の応援馬券を購入できるラストチャンス。単勝馬券を握り締め、笑顔で第二の人生を送り出そうではないか。

■2月18日(土曜)阪神競馬場

2Rボナンザ
3Rアンクルブラック
4Rショウナンアキドン
6Rリコッチ
7Rエアアネモイ
8Rスズノハマヤ
9Rタイセイクラージュ
11Rテンハッピーローズ

■2月19日(日曜)東京競馬場

3Rミラクルティアラ
4Rアドマイヤサジー
7Rルージュカルミア
8Rカフェサンドリヨン
9Rペリエール
10Rカランドゥーラ
11Rオーヴェルニュ
12Rゲンパチプライド ※JRA最終騎乗

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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