元JRA藤田伸二氏「ただのダート馬じゃないんじゃないかな」…凱旋門賞で“共闘”した「レモンポップ調教師」に意外な提言?
19日に行われたフェブラリーSをG1初挑戦で完勝したレモンポップ(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)。気になる次走は、すでに選出されているドバイゴールデンシャヒーン(G1、ダート1200m)とゴドルフィンマイル(G2、ダート1600m)の2択ともいわれているが、結論は来週27日以降に出る見通しだ。
陣営もベスト距離は1400mと認めているだけに、今後のレース選択は悩ましいものとなりそう。
そんなレモンポップについて意外な視点からレース選択の提言をしたのは、元JRA騎手の藤田伸二氏だ。
藤田氏は21日夜、自身のYouTube「藤田伸二チャンネル」で、約3か月ぶりとなる生配信を敢行。20分ほどの短い時間だったが、フェブラリーSのレース回顧などを行った。
今年最初のG1レースを「比較的小粒だった」と評した藤田氏。メンバーレベルには疑問符を投げかけたが、テン乗りで同馬を勝利に導いた坂井瑠星騎手の冷静な手綱さばきをべた褒め。また、管理する田中博調教師にも「おめでとう」と祝福の意を表した。
藤田氏は配信の中で、田中博師との意外なエピソードも明かした。現役騎手時代は栗東と美浦で分かれていたが、藤田氏がヒルノダムールとのコンビで凱旋門賞(仏G1)に挑戦した際に接点があったという。
ヒルノダムールがフランスに渡ったのは2011年秋。ちょうどその時、現地で武者修行中だったのが田中博師だった。現地では同馬の調教も担当し、藤田氏が現地入りした後は“運転手役”も務めたとか。まさにチーム・ヒルノダムールの一員として“共闘”した仲だったともいえる。
「レモンポップ調教師」に意外な提言?
そんな田中博師が管理するレモンポップの今後の可能性について、藤田氏はこう漏らした。
「この馬、ただのダート馬じゃないんじゃないかな」
「一回、芝でも(走りを)見てみたい」
藤田氏のこの発言の背景には、レモンポップが芝部分でしっかりスタートダッシュを決め、先行できている面も大きいようだ。確かにフェブラリーSを含めてこれまでも芝スタートのレースでしっかり結果を残している。
ただし、レモンポップはデビューから一貫してダートのマイル以下を使われ、11戦全連対と崩れることなく走り続けている。血統的にも父のレモンドロップキッド産駒は芝で全く結果が出ていないのも事実だ(JRA通算61戦1勝)。
しかし、JRAではここ最近のトレンドとして、芝からダート替わり、もしくはダートから芝替わりで結果を残している馬も少なくない。昨年の秋だけでもヴェラアズール、ジュンライトボルトなどがそれまでとは違う路線でG1制覇。他にもギルデッドミラー、ドゥラエレーデなどの成功例もある。
そして、これらの馬に共通しているのはいずれもそれまでの路線で頭打ちになり、変更を強いられている点だ。ただレモンポップは、ダートでまだ底を見せていないため、すぐに芝を試すメリットはないかもしれない。将来的に種牡馬としての価値も考えれば、芝でも走れることを証明しておいて損はないが……。
果たして藤田氏の“提言”が実現する日は来るのか。いずれにしても陣営がレモンポップの次走として、どのレースを選択するのか大いに注目したい。