武豊絶賛の「好素材」が背水の陣、“7億円対決”制して開きたいクラシックへの道
25日、阪神競馬場の芝2200mで開催されるすみれS(L)。かつてフサイチコンコルドやキングカメハメハが制し、後に日本ダービー馬へと輝いたことでも知られている。
今年このレースに格上挑戦を予定しているのが、現在4戦1勝のエゾダイモン(牡3歳、栗東・武幸四郎厩舎)だ。
主戦の武豊騎手がデビュー前から公式サイトの日記に「覚えておいて損はない」とつづるなど絶賛していた好素材だが、先月行われた自己条件ではまさかのブービー負け。春クラシックに黄色信号が灯ったようにも思われた。
だが、さほど間を置かずに格上参戦してくるということは、陣営はまだ大舞台を諦めていないのだろう。G1・2勝馬グローリーヴェイズの半弟でPOG(ペーパーオーナーゲーム)でも非常に人気の高かった1頭だけに、ここで巻き返しを見せられるか注目が集まりそうだ。
「前回は思わぬ大敗を喫してしまったエゾダイモンですが、手綱を取っていた武豊騎手がレース後『思った以上に馬場を気にしていた』と話していたことから、重馬場になってしまったことで持ち味を存分に生かせなかったのでしょう。
中間の調教では先週のフェブラリーS(G1)に出走した古馬オープンのセキフウに先着するなど好気配を見せています。週末の競馬が良馬場で開催されれば見直す手もあるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
なお今年のすみれSは特別登録が6頭とやや寂しいものの、中身は非常に濃いメンバーが揃ったといえそうだ。
“7億円対決”制して開きたいクラシックへの道
上位人気が予想されるシャザーンが2021年のセレクトセールにおいて2億4200万円、ショウナンバシットが2億8600万円の超高価格でそれぞれ取引された馬。またエゾダイモンも1億8150万円の高値で藤田晋オーナーに購入されている(全て税込)。
さらに、アヴニールドブリエも一口馬主クラブのシルクレーシングにおいて6000万円で募集されていることから、ネット上やSNSなどでは4頭合わせて“7億円対決”としても注目を集めている。
エゾダイモンは前走でショウナンバシットに1秒以上の差をつけられて敗れているものの、同馬はデビュー戦から手綱を取り続けた福永祐一騎手が今週末サウジアラビアに遠征予定。今回は松山弘平騎手が想定されているが、テン乗りになるのは不安材料の1つといえるだろう。
「シャザーンも前回手綱を握っていた川田将雅騎手がサウジアラビアに遠征するため、初騎乗の岩田望来騎手に乗り替わりとなりました。アヴニールドブリエも団野大成騎手との新コンビが発表されています。
そのため、上記4頭のなかで継続騎乗になるのは武豊騎手とエゾダイモンのみ。このアドバンテージを生かすことができれば勝機も見えてくるかもしれませんね」(同)
現時点で1勝クラスのエゾダイモンにすれば、春を展望する上で今回は背水の陣になるかもしれない。果たして道を切り開くことができるだろうか。