川田将雅、C.ルメールの居ぬ間に…横山武史「リーディング奪取」も、春G1戦線で苦戦必至?気になる傾向とは
今年のサウジカップデーも日本馬の活躍が際立った。
昨年の4勝には届かなかったものの、パンサラッサがサウジカップデーでG1を制したほか、バスラットレオンとシルヴァーソニックがそれぞれG3レースを勝利し、日本馬は合計3勝。このうちの2勝がJRA所属騎手によるもので、吉田豊騎手と坂井瑠星騎手はそれぞれ高額賞金を獲得した。
一方で、昨年のサウジカップデーでは重賞4勝の離れ業を見せたC.ルメール騎手は、残念ながら今年は未勝利。サウジアラビアに初遠征を果たした川田将雅騎手も2鞍に騎乗したが、初勝利は来年以降にお預けとなった。
そして、この2人がサウジ遠征中に変化したのがJRAの騎手リーディング争いだ。
フェブラリーS(G1)が行われた2月19日終了時点で、単独トップに立っていたのは27勝のルメール騎手。これを2勝差で川田騎手(25勝)が追いかけ、やや離された3位に20勝の横山武史騎手がつけていた。
そして迎えた先週末、上位2人が不在の間に7勝の固め打ちに成功した横山武騎手が、川田騎手とルメール騎手(勝利数は同じで2着の回数で上回る)を抜いてトップに躍り出た。
まさに鬼の居ぬ間に奪首を成功させた横山武騎手だが、7勝すべてをダートレースで挙げていた。2日間で12戦7勝のダート戦に対して、芝では6戦して2度の2着はあったものの勝利を挙げることができなかった。
しかし、この傾向は今に始まったことではないという。
「リーディング奪取」も、春G1戦線で苦戦必至?
「今年の横山武騎手は1月の1回中山開催(8日間)で15勝を挙げたのですが、4週にわたる東京開催でその勢いはストップ。僅か5勝に終わりました。特に苦戦していたのが芝のレースで、29戦2勝でした。
そして得意の中山に戻った先週は、ダートで大活躍を見せてくれたのですが、肝心の芝では勝てず。中山記念(G2)ではソーヴァリアントとコンビを組むなど騎乗馬の質は悪くなかっただけに、未勝利だったのは少し物足りなさを感じましたね」(競馬誌ライター)
今年挙げた27勝の内訳を見てみると、土日の固め打ちもあって、芝11勝、ダート16勝と数字は逆転。この傾向は単に一過性の可能性もあるが、もし得意の中山芝でも苦戦が続くようなら、春のG1戦線でも不安が残る。
昨年は川田騎手とリーディング争いを繰り広げたが、終盤に追い上げた戸崎圭太騎手に抜かれて3位に終わった横山武騎手。このままルメール騎手と川田騎手に食らいついていくためにはダートだけでなく、芝でもしっかり勝ち鞍を重ねていきたいところだ。