今村聖奈「後方一気」で武豊の神逃げを粉砕! G1馬続出の「超出世レース」快勝
4日、阪神競馬場の6Rに行われた3歳1勝クラス(ダート1800m)は、後方からレースを進めた今村聖奈騎手の1番人気ベンダバリラビア(牡3歳、栗東・寺島良厩舎)が直線で豪快な追い込みを決めて優勝した。
10頭立ての一戦。ベンダバリラビアはスタートで出遅れたものの、今村騎手が「リズムを大切にしようと思った」と振り返った通り、道中は後ろから2番手に控えてじっくりと競馬を運ぶことに。
レースは先手を奪った武豊騎手とゴッドブルービーが、前半1000m通過63秒3という絶妙な逃げを展開。隊列もほとんど乱れることなく、今村騎手とベンダバリラビアも後方2番手のポジションのまま最後の直線に入る。
先頭との差はだいぶ開いていたように見えたが、大外に持ち出されてゴーサインが送られると、1頭だけ次元の違う末脚を披露。残り1ハロンを切ったところで先頭に立ち、最後はゴッドブルービーに1馬身1/4差をつけて完勝した。
「直線に向いた時は武豊騎手とゴッドブルービーがまんまと逃げ切るかと思いましたが、追い出されてからのベンダバリラビアの伸びは凄かったですね。道中じっと我慢して末脚に懸けた今村騎手の騎乗も見事だったと思います。
なおベンダバリラビアは抜け出してからソラを使っていたとのことなので、馬にはまだ余力が残っていたのでしょう。次走以降も非常に楽しみな1頭です」(競馬誌ライター)
後方一気でライバルたちをごぼう抜きした今村騎手とベンダバリラビアには、レース後のSNSやネット掲示板などにも「バケモノかと思った」「武豊騎手が最高の展開で逃げてたのに」「ダートならG1も勝てそう」といった絶賛の声が相次ぐことに。
G1馬続出の「超出世レース」快勝
なお、チューリップ賞(G2)や弥生賞ディープインパクト記念(G2)と同じ週に行われる阪神ダート1800mの1勝クラスは昨年、勝ったノットゥルノがその後、大井のジャパンダートダービー(G1)を優勝。2着のヴァレーデラルナもJBCレディスクラシック(G1)を制するなど、連対した2頭がともにG1馬に輝いている。
また、過去5年間の勝ち馬でも、2019年のJRA賞最優秀ダートホースであるクリソベリルや、東京大賞典(G1)4連覇を達成したオメガパフュームなど超ビッグネームが名を連ねている。平場戦とはいえG1ホースが続出していることから、密かな超出世レースと呼んでも差し支えないかもしれない。
「今日の勝ちっぷりを見ると、ベンダバリラビアもこれからの活躍を期待してもいいのではないでしょうか。また、管理するのが寺島厩舎であることから、今後も弟子である今村騎手との師弟コンビが続く可能性が高いと思われます。
ちなみに今村騎手の公式Twitterによれば、ベンダバリラビアはサラブレッドとしては非常に珍しく珠目(額にある旋毛)が3つもあるとのこと。個性的な馬としても、今後は人気が出るかもしれませんね」(同)
レース後、今村騎手はベンダバリラビアに「非常に強い内容。今日の私はただつかまっていただけでした」と最大級の賛辞を送っている。人馬の今後に注目してみたい。