【スプリングS(G2)展望】D.レーンも太鼓判「大物候補」が無傷3連勝へ!逃げ馬がそろいもそろって乱ペース必至!?

 19日、中山競馬場ではスプリングS(G2)が行われる。3着以内に入ると、皐月賞(G1)への優先出走権を得ることができるトライアルを制するのは、果たしてどの馬になるのか。展望していこう。

 デビューから無傷の3連勝を狙うロードカナロア産駒の大物候補がベラジオオペラ(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)だ。

 昨年秋の2歳新馬(阪神芝1800m)でD.レーン騎手を背にデビューを果たしたが、この時は2.8億円ホースのショウナンバシットらに続く3番人気と前評判はそれほど高くはなかった。

 しかし、1000m通過が62秒0というスローな流れの中を2番手で折り合うと、直線では逃げた2番人気のエアメテオラと激しい追い比べ。最後はアタマ差で抜け出して初陣を飾った。

 レース後、レーン騎手は「ポテンシャルがありますし、経験を積めば、さらに成長すると思います」とその将来性に太鼓判を押し、一躍注目の存在に。

 2戦目は横山武史騎手に乗り替わって、1月東京のセントポーリア賞(3歳1勝クラス)に出走。ここでも好スタートを切って好位につけるセンスを見せ、道中は2番手で競馬を進めた。レース後に横山武騎手が、逃げたシャンドゥレールが「変な動きをしていた」と振り返ったように、道中は想定外の展開になったようだが「つられる事なく競馬ができました」と全く問題にせず。

 残り200m地点で先頭に立つと後続との差を広げ、最後は1.1/4馬身差をつける快勝だった。初の長距離輸送も馬体重2kg減にとどめて危なげない走りを披露。馬体にはまだ緩さも残る中で2連勝を飾ったことから、レーン騎手の言葉通りポテンシャルの高さは間違いないだろう。

 混戦模様の3歳牡馬路線だけに、ここで連勝を伸ばすようなら皐月賞で主役候補に躍り出る可能性も十分。前走に続き鞍上は横山武騎手が務める。

セブンマジシャン 撮影:Ruriko.I

 ベラジオオペラと同じくデビュー2連勝を飾ったのが、ジャスタウェイ産駒のセブンマジシャン(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)だ。ただし、こちらはその後に2連敗を喫し、これがキャリア5戦目である。

 3連勝を懸けて臨んだホープフルS(G1)では3番人気に推されたものの、前残りの展開も味方せず、6着に敗れた。道中は中団やや後方を進み、直線でもジリジリと伸びてはいたが、終始外々を回ったコースロスもあった。

 その後は京成杯(G3)で賞金加算を狙ったが、1番人気を裏切っての3着。ただし4角で前にいたソールオリエンスが外に大きく膨れてしまい、外を回らされる致命的な不利もあった。

 デビューから3か月半の間に4戦のハードなローテーションをこなし、前走後はようやく一息。2月下旬に栗東に戻ってからは坂路で好時計を出しており、好調キープをアピールしている。初コンビの戸崎圭太騎手とともに権利獲りはなるか。

 1800m以上の距離を使われてきたベラジオオペラとセブンマジシャンに対して、オールパルフェ(牡3歳、美浦・和田雄二厩舎)は、デビューから4戦連続でマイルを使われ、2走前のデイリー杯2歳S(G2)で重賞制覇も飾っている。

 初めての距離延長となる今回はまさに試金石。結果次第で皐月賞へ向かうか、それともNHKマイルC(G1)へ向かうかを判断するという。

 本馬の最大の売りが、そのスピード。4戦すべてでハナを切り、デイリー杯2歳Sでは前半3ハロン35秒3のややスローな流れに落としてダノンタッチダウンの追い込みを封じた。

 一方で、同じ舞台で行われた前走・朝日杯FS(G1)は前半34秒1のややハイペースで馬群を引っ張った。道中は終始外からプレッシャーをかけられる厳しい展開だったが、直線残り200m地点まで先頭をキープ。最後は阪神の上り坂で失速したが、それでも勝ち馬から0秒5差の6着なら力は示したといえるだろう。

 デビューから手綱を取る大野拓弥騎手を背に今回もハナを奪いに行きたいところだが、これまで以上に逃げ馬がそろっている。

 逃げ候補の1頭が、朝日杯FSでオールパルフェにプレッシャーをかけ続けたグラニット(牡3歳、美浦・大和田成厩舎)である。

 近2走は朝日杯FS10着、京成杯8着と結果が出ていないが、3走前のサウジアラビアRC(G3)では大逃げを打ち、高速馬場も味方にドルチェモアの2着に粘り込んだ。

 その再現を狙うなら、今回は何が何でもハナを切りたいところ。陣営のコメントにも注目しておいた方がよさそうだ。

 他にはデビュー2戦目から3戦連続で逃げて2勝をマークしたパクスオトマニカ(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)、新馬、フリージア賞(3歳1勝クラス)をいずれも逃げ切ったホウオウビスケッツ(牡3歳、美浦・奥村武厩舎)の2頭も包まれるくらいならハナを奪いたいタイプ。

 また、昨夏の新潟2歳S(G3)で1番人気に支持されたアイスグリーン(牡3歳、栗東・池添学厩舎)やハウゼ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)あたりも比較的先行する競馬で結果を残してきた馬だけに、先行争いが激化してかなりのハイペースになってもおかしくないだろう。

 まだ底を見せていないベラジオオペラが3連勝を飾るのか、それとも2歳G1・6着の経験を持つセブンマジシャンとオールパルフェがストップをかけるのか。様々な路線から集結した有力馬がぶつかり合う今年のスプリングSは、19日の15時45分に発走を予定している。

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