武豊「福永祐一から引き継いだ大物」で重賞V期待も、気になる産駒の「超早熟説」
18日、中京競馬場で開催される芝1400mのファルコンS(G3)。春の3歳マイル王決定戦・NHKマイルC(G1)につながる重要な一戦として位置づけられている。
今週15日に54回目の誕生日を迎えた武豊騎手は、このレースでシルバーステート産駒の大物カルロヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)に騎乗予定だ。
同馬は昨年6月、宝塚記念(G1)当日に行われた芝1800mの新馬戦を快勝。このレースは過去にG1馬を複数輩出しており、今年も出走馬のドゥラエレーデとデルマソトガケが2歳G1を制したことを受けて、一部のファンからは「伝説の新馬戦」とも呼ばれている。
そんなハイレベルな一戦を制した本馬は、続く野路菊S(OP)こそ脚部不安の影響もあってか最下位に敗れたが、仕切り直しの一戦となった前走の白梅賞(1勝クラス)ではハナを奪うと、後続に2馬身半差をつけて完勝を収めた。
その前走で手綱を取っていた福永祐一元騎手が2月末で騎手を引退、今月から調教師に転身したため、手綱が武豊騎手に引き継がれた格好である。
レジェンドは栗東で行われた1週前追い切りで本馬に騎乗。動きを見届けた須貝師は『東京スポーツ』の取材に「前走時よりもさらにパワーアップしてきた。競馬が上手で重賞に入っても楽しみだね」と話しており、既に臨戦態勢は万全とみていいだろう。
『netkeiba.com』の想定オッズでもカルロヴェローチェは16日現在、単勝1倍台の断然人気に推されている。レジェンドは54歳になって最初の重賞騎乗でいきなりのVも十分にありそうだ。
だが、不安材料が全くないわけでもない。
気になる産駒の「超早熟説」
本馬の父であるシルバーステートの産駒は、昨年の未勝利戦を10馬身差で圧勝していた大器ゴッドファーザーが、5日の弥生賞ディープインパクト記念(G2)に武豊騎手とのコンビで出走したものの、直線で失速してまさかのシンガリ負け。
また、同産駒の唯一の重賞勝ち馬であり、武豊騎手のお手馬でもあるウォーターナビレラも、昨年の桜花賞(G1)2着の後は4戦連続で二桁着順が続いている。
それらの背景もあってか、ネット上の一部のファンからはここのところ「シルバーステート産駒超早熟説」なども流れ始めているようである。
ちなみにゴッドファーザーは、カルロヴェローチェが勝った新馬戦で3着に好走していた馬である。同馬が初の重賞挑戦で大敗したのは、同じ父を持つカルロヴェローチェにとってもやや気になる要素といえるかもしれない。
「シルバーステート産駒といえば、2歳時に武豊騎手を背に新馬・特別戦を連勝して超大物と囁かれていたロンも、脚部不安から復帰した昨年末以降はもうひとつ精彩を欠いていますね」(競馬誌ライター)
仮に今回カルロヴェローチェが人気で負けるようなことがあると、父の早熟説により拍車をかけることにもなるかもしれない。レジェンドとのタッグで杞憂に終わるような走りを期待したいところだ。