武豊「ドバイWCより厚い壁」で意地の日本馬最先着! コンビ継続で再度の海外挑戦はあるか
日本時間25日の深夜にドバイのメイダン競馬場で開催されたドバイワールドカップ(G1)は、日本から参戦したウシュバテソーロが優勝。道中シンガリを追走から豪快な直線一気を決めて、1着賞金である約9億円を獲得した。
騎乗していた川田将雅騎手はレース後、「とても幸せです。彼を誇りに思います」と歓喜のコメント。また、ダートで行われた同レースを日本馬が制するのも今回が初という快挙となった。
その一方で、日本馬4頭が出走したダート1200mのドバイゴールデンシャヒーン(G1)は、米国のシベリウスが優勝。このレースを勝った日本馬は過去におらず、ある意味ではドバイWCよりも厚い壁として今年もはね返される形となった。
それでも勝ち馬からおよそ1馬身3/4差の5着に入る健闘を見せたのが、武豊騎手とリメイク(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)のコンビである。
2016年のUAEダービー(G2)を武豊騎手の手綱で制したラニの初年度産駒である同馬は、昨年12月のカペラS(G3)で重賞初制覇。海外初挑戦となった前走・サウジアラビアのリヤドダートスプリント(G3)でも3着に好走した。
その前走のサウジを最後に主戦だった福永祐一元騎手が引退。新パートナーについて管理する新谷師がオーナーの前田幸治氏と相談を行った結果、「世界を熟知しているジョッキー」でもある武豊騎手に白羽の矢が立ったようだ。
レースではスタートで出遅れたことで最後方からの競馬を余儀なくされることに。ただ、その後はスムーズな追走で最後の直線は上手く外に持ち出すと、鋭い伸び脚を見せて今年のフェブラリーS(G1)を勝ったレモンポップらを交わし日本馬最先着を果たしている。
「この日のドバイのダートは、ゴドルフィンマイル(G2)やUAEダービーで逃げ切り勝ちが決まるなど、ここまで内目を通った逃げ先行馬の活躍が目立っていました。それらを考えると最後方から大外を回って上位に迫ったリメイクの走りは評価できる内容だったのではないでしょうか。
武豊騎手もドバイターフ(G1)に出走を予定していたドウデュースが取り消しとなってしまったため、今年のドバイはリメイクの一鞍入魂となりましたが、意地を見せてくれましたね」(競馬誌ライター)
コンビ継続で再度の海外挑戦はあるか
レジェンドはレース後、「スタートはあまり綺麗じゃなかったが、その後はスムーズに走ってくれた。最後はいい脚を見せてくれたし、世界レベルでやれる馬」と、リメイクに高評価を与えている。
先述した通り、UAEダービーを制した本馬の父ラニと武豊騎手はその後、米国の三冠レースにも挑戦している。息子のリメイクともタッグで再度の海外参戦を見据えているからこそ「世界レベルでやれる馬」と発言したのかもしれない。
一方、管理する新谷師は「ゲートの出遅れが響いた。普通にスタートを切って下げるのと、出遅れて後ろになるのとでは、海外の一線級相手には致命的になる」「今回初めて出遅れたので、調整していかないと」と、今回の敗戦は相当に悔しかった様子である。
ちなみに2020年に開業した新谷師と武豊騎手はこれまで中央で6回しかコンビを組んだことがなく、勝ち星は1つも無い。果たして、このコンビが今後も継続されるのか注目してみたいところだ。