池添謙一「わしのを腕トレンドすな」と困惑!? ヴィクトリアマイル(G1)メイケイエールVSソダシ実現も「鞍上問題」にジレンマ

メイケイエール 撮影:Ruriko.I

 先週末に開催された高松宮記念(G1)で12着に大敗したメイケイエール(牝5、栗東・武英智厩舎)だが、招待されていた香港のチェアマンズスプリントプライズ(G1・シャティン)を辞退し、5月14日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(G1)に向かうことが分かった。

 2番人気で5着に敗れた昨年の高松宮記念は、前日の雨の影響で重馬場の開催となったものの当日は晴天。内から乾いていく馬場状態は、8枠17番の外枠に入ったメイケイエールにとって大きなビハインドとなった。それでも能力の高さを見せただけに、3枠5番の絶好枠をゲットした今年はファンも1番人気に推した。

 しかし、またしてもメイケイエールの不運は続いた。今年は雨が止むことなく降り続けたため、昨年の重馬場どころかさらに悪化した不良馬場での開催となり、枠の内外以上に重馬場の適性が明暗を分かつ結果となってしまった。

「飛びが大きくきれいな馬なので、ここまで悪くなるとこの馬には向いていない馬場」「去年は不利な外枠で、今年は内枠となり、ほんの少しの運があれば……」

 レースをそう振り返った池添謙一騎手だが、「運も実力のうち」といってしまうには、気の毒に思えるコメントでもあった。

 また、近走でスプリント戦を中心に使われていたメイケイエールのマイル挑戦は、2年前の桜花賞(G1)以来。当時は道中で折り合うことが出来ず、最下位の18着に惨敗した苦い経験があるが、武英調教師の説明によると「左回りに魅力を感じた」ことが理由のようだ。確かにここ2年の高松宮記念を除けば、左回りで5戦3勝と好成績を残しているため、距離延長の不安よりは期待の方が大きいかもしれない。

ソングライン 撮影:Ruriko.I

 その一方でひとつ気になったのは、昨年のヴィクトリアマイルで池添騎手がコンビを組んだソングラインの存在だ。ヴィクトリアマイルで5着に敗れたが、同騎手が継続して騎乗した安田記念(G1)では牡馬の強豪相手に待望のG1勝利を挙げたパートナーである。

 そのソングラインも次走にヴィクトリアマイルを予定しているため、今年はライバルとなって立ちはだかることになりそうだ。となると、注目の鞍上はやはりあの騎手が濃厚だろうか。

「おそらくC.ルメール騎手でしょうね。コンビを組んだ回数なら池添騎手の方が多いですが、ソングラインが海外遠征の際には、ルメール騎手が騎乗していました。2頭が直接対決した昨秋のセントウルS(G2)でも池添騎手がメイケイエールに騎乗して圧勝した経緯もあります。

池添騎手としても絶対的な信頼を寄せてくれるメイケイエール陣営に恩返しをしたいと考えているでしょう。また、優勝候補の1頭に数えられている昨年の覇者ソダシも吉田隼人騎手からD.レーン騎手へ乗り替わると報じた海外メディアもありました。今年はいずれも昨年と異なる騎手とのコンビで出走となりそうですね」(競馬記者)

「わしのを腕トレンドすな」と困惑!?

 また、メイケイエールのヴィクトリアマイル参戦を別の意味で心配するファンの声も上がっていた。SNSではなぜか「池添の腕」がトレンドに急浮上。これには池添騎手も気付いたようで、自身のTwitterで「わしのを腕トレンドすな(原文ママ)」とツイートし、困惑していたようだった。

 どうやら昨年の京王杯SC(G2・芝1400m)を優勝した際のインタビューで、池添騎手が道中の折り合いについて「いやー、きつかったですね。1ハロン違うだけでこの2走より1番きつかった」と話していたこともあり、一部のファンからそれよりさらに1ハロン長いマイルで池添騎手の“腕”を肉体的な意味で心配する声が出ていたことが理由だったらしい。

 こういった話題がトレンドに上がるのも、メイケイエールと池添騎手のコンビを支持するファンが多いことの証でもある。G1級の能力を持っていることは間違いないだけに、今度こそ待望の勝利となることに期待したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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