「最後はすごい脚」C.ルメールも衝撃の末脚! 大竹正博厩舎にブラストワンピース以来の超大物登場か
1日、中山競馬場で行われた5R・3歳未勝利は、1番人気のフレーヴァード(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)が勝利。重賞4勝を挙げ、桜花賞(G1)でも1番人気に推されたルージュバックの仔が単勝1.5倍の圧倒的人気に応えた。
芝2000mのレース。17頭立てと多頭数の上、C.ルメール騎手が「そんなに動かなかった」と振り返った通り、スタートからダッシュがつかない苦しい展開。1コーナーを回った際は、後方グループの一角だった。
しかし、ここで慌てないのがルメール騎手だ。1000mを通過した辺りからじわじわと加速してポジションを上げると、4コーナーでは先団のすぐ後ろに取りつく。最後の直線でフレーヴァードが加速にもたつくシーンもあったが、苦しい中山の急坂を一気に駆け上がると、最後は先に抜け出したホウオウムサシをねじ伏せるようにゴールした。
「最後はすごい脚」C.ルメール騎手も衝撃の末脚!
「着差こそ半馬身差でしたが、ここでは力が違いましたね。今回がデビュー2戦目でルメール騎手が『まだ緩い』と指摘している通り、まだまだ粗削りで幼い面はありますが、さすが良血馬という走りでした。
特に際立ったのが、残り200mを切ってからの末脚。ようやくギアが噛み合ったという感じでしたし、あの走りが安定してできるようになれば母のルージュバックを超える活躍をしてもおかしくないでしょう。ルメール騎手も『最後はすごい脚だった』と絶賛していましたね。母と同じく本当に良くなってくるのは古馬になってからでしょうが、この時期の3歳馬であの脚を使える馬はそういないはずです」(競馬記者)
記者曰く、半馬身差の2着に敗れたホウオウムサシの杉原誠人騎手も「素晴らしいレース運びをしていた」という。
スタートを決めて、好位から最後の直線では後続に3馬身以上の差をつける勝ちパターンに持ち込んだが、最後はフレーヴァードの異次元の末脚に屈してしまった。これには杉原騎手も「抜け出すのが少し早かった」と悔やむ他なかったようで、記者も今回の敗戦は「事故のようなもの」と高評価している。
「今回がデビュー2戦目のフレーヴァードですが、東京(芝1800m)のデビュー戦でこの馬を負かしたラッジオも面白い存在です。結果だけを見ればスローペースからの逃げがハマった格好ですが、それでも最後まで加速し続けて上がり3ハロンは33.8秒。特にラスト1ハロンはゴール前で手綱を緩めながらの11.1秒と、脚色にはまだ余裕がありました。
ただ、まだ体質的に弱いところがあるようで、デビュー戦も決して万全というわけではなかったそうです。本来であれば5月のオークス(G1)を目指せるだけの器だと思いますが、素晴らしい馬だけに陣営も大事に使っていくと思います。
実はこのラッジオも、フレーヴァードと同厩。2018年の有馬記念以来、G1制覇から遠ざかっている大竹厩舎ですが、この2頭は楽しみですよ」(同)
「今日はちょっと忙しい感じもあったので、距離はもっと延びても良さそうです」
今回は皐月賞(G1)と同じ中山の2000mだったが、ルメール騎手はそれ以上の距離でも十分カバーできると考えているようだ。その視線が見据える先は2400mの日本ダービー(G1)か、それとも3000mの菊花賞(G1)、あるいはその両方か――。
ここからのダービー挑戦はやや強行軍になるが、一生に一度の晴れ舞台。格上挑戦でトライアルレースに出走してくれば、大きな注目を集めそうだ。