リバティアイランドの取捨は!? 競馬クイーン桃井はるこが筋書のない乙女たちの1戦を射抜く!【モモーイの超!大穴でグッジョブ!第1回】
ごきげんよう!今月からコラムを担当させてもらいます、桃井はることいいます。モモーイって呼んでもらえたらうれしいです。
私は『GJ(Goraku Journal)』さんにはたびたび取材記事でお世話になってましたが、今回は直接!原稿を執筆する機会をいただきました。
今、自宅の屋根裏部屋でPCのキーボードを叩いております。蔵書の中から競馬の関連書籍を机の上に並べて、テンションを上げながら。中でも一番愛着があるのが寺山修司著『競馬場で逢おう』(1966年初版発行)シリーズで、報知新聞競馬欄に連載されていたコラムが没後に書籍化されたものなのですが、たまに読み返したくなります。
私は作詞作曲の仕事をしているのですが、アイディアに詰まるとふとこの本を開きたくなるのですよね。見開きに1レースごとの馬柱と予想が組み込まれた随筆が載っているのですが、そこに登場するバー、寿司屋、予想屋さん、そして桃ちゃん……レースだけでなく当時の周辺文化、今は失われたペーソス、私が現実には触れたことがない昭和の男の世界の空気を感じられるのです。スマホもPATも、ましてや3連系の馬券すらなかった頃の会話は、私の作風「ポップ」とは真逆なのですが、もはやファンタジーの世界のようで「大人になりたい」と思っていた頃の気持ちを思い出させてくれるんですよ。本を開いて、初めて競馬場に足を踏み入れた時の独特な緊張感とワクワク感を思い返す時間が好きです。
私のお財布の中にはコロナ禍になる以前に買ったJRAの競馬場の回数券が2枚もぎられた状態で入っています。8枚綴りで、それぞれ1枠から8枠まで数字が書いてあり、枠の色に色が塗り分けられているのに遊び心を感じます。回数券も現在は販売が休止されたままですが、数年眠らせていたこいつをそろそろ取り出して競馬場に再び足を運びたいと思う春です。
さて、今週はG1桜花賞。桜花賞は名前の如く、まるで美しい桜の花のように少女の秘めた才能が開花し、それを発見しびっくりするレースだと私は思っています。
過去10年で1番人気が勝利したのは2014年のハープスター、1頭のみ。騎乗したのは川田将雅騎手、今年の断トツ人気リバティアイランドの鞍上と同じですね。
3月25日の日本時間では深夜、メイダン競馬場で行われたドバイワールドカップ(G1)でウシュバテソーロを勝利に導き、レースはもちろん、勝利後の馬上でのインタビューの受け答えの流暢な英語は、川田騎手のスマートでスノッブな魅力全開で眩しかったです。私は眠い目を擦りながら「東京大賞典から川崎記念、そしてドバイというローテ、夢ありすぎでしょ!」とテレビに向かってひとりごちていました。次は凱旋門賞(G1)か⁉ フランスの馬場は重いから、ダートの強い馬に行ってほしいと思っていたよ。オルフェーヴルの子供がもし凱旋門を勝ったら2着に敗れたお父さんのリベンジができるね、なんて早口になってしまいますよ。
話が逸れました。ハープスターはその後3歳戦での勝利はなくクラシックは1冠に終わったわけですが、実況アナに「異次元の決め手だ」とまで言わしめたリバティアイランドはどんなストーリーを歩むのでしょう。それはまだ誰にもわかりません。人は、どんなに偉くてもお金持ちでも、たった5分後のことすら分からないのです。それを思い知らせてくれる競馬が私は好きです。
桜花賞の本命は、◎モズメイメイとします。このコラムを執筆している段階でまだ枠順は未確定ですが、馬柱を見渡すと、明確な逃げ馬がいません。自分のペースでハナに立つことができるだろうと。JRA VANで全レースを見返しても、この馬のゲートの上手さ、テンの速さは特筆すべきものだと映りました。先週の大阪杯(G1)の決め手を見てもハイペースの逃げ切り勝ち、阪神競馬場は軽く速い時計が出る高速馬場だと踏んでいます。前走のチューリップ賞(G2)では逃げながら上がり3ハロン34.1を使い勝利したというのも良いでしょう。その時の鞍上武豊騎手がインタビューで「軽い馬場はすごく合っているみたい」と言っていたのもプラス要素。近年チューリップ賞勝ち馬の連勝はない⁉ ハープスター以来の連覇を見せてやりましょうよ。先日、騎手会旅行で行われた宴会動画がSNSを賑わせてほっこりしましたが、宴会部長でもある和田竜二騎手にここは鮮やかな逃げ切りを見せてほしい!
〇は、コナコースト。こちらも前走チューリップ賞組です。というのは、他の前哨戦は道悪だったり条件が今回とは違う適性を求められるレースが多く、あまり参考にならないんじゃないかと感じ、今回の条件に合致しそうな速い上がりを経験した馬を評価したいのです。コナコーストが2着に入ったとしたら……チューリップ賞組だけで馬券ワンツースリーといえば、レッツゴードンキが勝利した2015年を彷彿としますね。こちらも逃げ切り勝ちでした。モズメイメイが逃げ切り、コナコーストはまるで前走の再現かのように末脚で2着に滑り込むのでは? という算段です。
さて、私の頭の中で今おぼろげに開催されている桜花賞では、そこにもう1頭、最後の直線でモズメイメイと激しく叩き合う馬がいます。それが、△ライトクオンタム。去年の桜花賞、武豊騎手騎乗のウォーターナビレラは番手から2着に粘り込み。今年同じ武豊騎手が手綱を握るライトクオンタムの前走、シンザン記念(G3)では出遅れがありながら、鋭い末脚を見せ牡馬を撃破し勝利。しかし新馬戦では逃げ切り勝利もおさめています。ライトクオンタムがどんな競馬もできるタイプだとしたら、ゲートを出てくれたらモズといったいった、出遅れても戦法を切り替えて外から追い込み、馬券内に飛び込んでくる姿が見えます。
▲は、ラヴェル。前走阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は、大外枠のラヴェル含め8枠がみんな出遅れ、そして荒れた馬場のせいもあり、度外視。2走前アルテミスS(G3)では33.0という驚異的な上がりをたたき出しリバティアイランドに土をつけました。リバティのマークがきつくなり、この時のように包まれてしまったりしたら……キタサンブラック産駒、母父のダイワメジャーは、桜花賞馬でもある名牝ダイワスカーレットの半兄。産駒はマイル戦に強く、その切れ味を見せつけてくれるかもしれません。
さて、注目のリバティアイランドですが、新馬戦の31.4の上がりタイムは新潟競馬場とはいえやはり「えぐい」。でもね、中内田充正厩舎は前哨戦にこそ強いイメージがあります。2019年の桜花賞、同じく中内田厩舎で川田騎手騎乗のダノンファンタジーは1番人気、単勝オッズは2.8倍と今年ほどかぶってはいませんが、惜しくも4着。それがあるのも競馬です。「大穴」という連載タイトルをつけてしまった以上、爆荒れも想定しておかなければ。というか、私は基本穴狙いです、はい。
ちなみに連載タイトルにある「グッジョブ」とは、オンラインゲームでは「GJ」と書き、一緒にプレイしている仲間に対しての賞賛の意味で使われます。「Goraku Journal」さんの頭文字と同じ「GJ」のサイン、この予想を的中させて読者のみなさんから頂けるといいなぁ。
発走が楽しみ。今週末は、筋書のない乙女たちのレースを一緒に見届けましょう!
-告知-
●パーソナリティを務める『THE WORKS』がFM NACK5(79.5MHz)にて毎週日曜日24時から放送中。ラジオやradiko.jpでお楽しみください。
●2023/4/9(日)に浅草VAMPKINにて開催の『pop-o’-funfun!!』にスペシャルゲストとして出演!
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●好評発売中の純情のアフィリアニューシングル『この盾に、隠れます。』に収録のカップリング曲『ファンシー・フリー・デストロイヤー』作詞作曲を担当。
( http://stand-up-project.jp/j-afilia/discography/?id=7th )
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●連載コラム『モモーイアンテナ』掲載の月刊ラジオライフが毎月25日発売。
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