マイルで輝く川田将雅、安田隆行、ダノックスの最強トリオ! ダノンタッチダウンと挑むNHKマイルC(G1)は巻き返し条件整った
得意舞台は師匠への花道となるかーー。
今週末に東京競馬場で行われるNHKマイルC(G1)は主役不在の大混戦となっている。順当なら昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)を制したドルチェモアが中心視されてもおかしくなかったものの、同馬は前哨戦のニュージーランドT(G2)で7着に敗戦。桜花賞(G1)や皐月賞(G1)を経由した馬も参戦を予定しているだけに、力関係の見極めも難しくなりそうだ。
中でも異質の存在となるのが、皐月賞で最下位に大敗したダノンタッチダウン(牡3、栗東・安田隆行厩舎)だろう。
前走は陣営も不得手と認める渋った馬場で能力を発揮できないままの不完全燃焼。本馬のポテンシャルの高さを考えれば、あまりに不甲斐ない内容だった。故障などのアクシデントを心配する声も出たが、NHKマイルCに出走してくるようなら、巻き返しの余地は十分にあると考えてよさそうだ。
G1馬ダノンザキッドの弟であるダノンタッチダウンは、兄と同じく安田隆行厩舎の所属ということもあり、デビュー前から注目を集めた素質馬。新馬戦を快勝して、その後はデイリー杯2歳S(G2)、朝日杯FSで2着とトップクラスの実力を発揮。皐月賞の敗因が道悪だったと考えれば、力負けと判断するのは早計だ。
最終追い切りを見守った指揮官も「ダメージなく、レース後すぐに息が入って、ここに向けて順調に来ている」とコメントしたように、反撃態勢は整いつつある。
また、主戦を任される川田将雅騎手も、並々ならぬ思いを抱えて騎乗するはず。安田隆行厩舎の所属騎手としてデビューした同騎手は、ダノンザキッドで勝利したホープフルS(G1)が師弟コンビで初のG1勝利となった。勝利騎手インタビューで「先生に迷惑ばかり掛けてきましたので……」と涙ながらに語る姿はファンの感動を呼んだ。
そしてダノンタッチダウンを所有するダノックスにとっても力の入る一戦となる。重賞レースで存在感を見せているものの、ダノンスコーピオンが制した昨年のNHKマイルCを最後に勝利から遠ざかっている。
ただ東京のマイル戦は願ってもない舞台設定である。過去にもダノンキングリー、ダノンシャンティ、ダノンスコーピオンが優勝。2008年のNHKマイルCでは、14番人気のダノンゴーゴーが3着に食い込んで波乱を起こすなど、大の得意としている条件だ。
来年に定年を控える師匠、東京のマイル戦で好相性のダノックス。川田騎手としても恩返しするには絶好の条件が整った。