NHKマイルCで笑門来福!? 「153万馬券」を演出した組からとっておきの穴馬をピックアップ
例年以上の大混戦となっているNHKマイルC(G1)。その中でも面白い存在になりそうなのが、前走でアーリントンC(G3)に出走した組だ。
トライアル競走に指定されているアーリントンCは、本番と非常に好相性のレースとしても知られている。過去10年で本レースを経由して本番に挑んだ17頭中の2頭が優勝し、3着にも4回入った。これは桜花賞(G1)、ニュージーランドT(G2)、皐月賞(G1)を上回る好成績。昨年のNHKマイルを優勝したダノンスコーピオンもアーリントンC経由だっただけに、アーリントンC経由で出走を予定している5頭も侮れないだろう。
東京と阪神で異なる条件のアーリントンC組が、なぜ好走しやすいのか。
その理由として挙げられるのはレベルとラップの2つかもしれない。同じくトライアル競走にニュージーランドTがあるものの、こちらは器用さも求められる中山開催。対するアーリントンCは阪神で行われるため、強い関西馬が出走しやすくフルゲートになることも珍しくない。頭数が集まることにより、必然的にレースレベルが上がることも好結果に結び付いているのだろう。
また、阪神競馬場のマイルコースは、NHKマイルCと同じく上がり3Fが速いラップになりやすいことも特徴だ。こうした傾向も直線の長い東京コースと親和性が高いといえる。
そして配当的な妙味でもアーリントンC組には魅力がある。なんと3着以内に好走した馬が悉く人気より上の着順に入っているのだ。
■前走アーリントンC組のNHKマイルCにおける成績
14年 ミッキーアイル 1番人気1着
18年 レッドヴェイロン 9番人気3着
19年 カテドラル 7番人気3着
20年 ギルデッドミラー 6番人気3着
22年 ダノンスコーピオン 4番人気1着
22年 カワキタレブリー 18番人気3着
※18番人気で3着に激走したカワキタレブリーは、3連単153万馬券の大波乱を演出。
「買い」のデータが揃ったアーリントンC組で個人的に推したいのは、3着に入ったショーモン(牡3、栗東・橋口慎介厩舎)だ。
注目すべきはショーモンの父であるマインドユアビスケッツの存在。現役時代にドバイゴールデンシャヒーンを連覇した快速馬だが、産駒に受け継がれたスピードは芝でも通用している。
こちらについては、マインドユアビスケッツの母系にGlorious Songが入っていることも関係しているのではないか。実際、血統にGlorious Songとサンデーサイレンスの血を両方持っている馬は、東京マイルコースのG1で特に高い適性を見せている。ヴィクトリアマイル(G1)を勝利したヴィルシーナや、NHKマイルCで勝利したダノンシャンティなども該当していた。
今回NHKマイルCに出走するショーモンも、Glorious Songの血を持つ父マインドユアビスケッツと母父ディープインパクトなら期待できそうだ。
下馬評こそ高くはないが、NHKマイルCで好走した過去のアーリントンC組が、本番で人気より上の着順に健闘したことも好材料。アッと驚く激走で穴党ファンにとっての「笑門来福」となるだろうか。