大物オーナー落札のハーツクライ産駒に「ドウデュース2世」の声!? 武豊と初陣濃厚も引っかかる「55戦0勝」極度の不振
12日、船橋競馬場で2歳馬のトレーニングセール『千葉サラブレッドセール』が開催された。2020年はコロナ禍の影響で中止、一昨年と昨年はオンラインオークションの形式で行われたため、現地での開催は4年ぶりだ。
58頭が上場され、最高落札価格となったのはロードカナロア産駒のダンサーデスティネイションの2021。今年のスプリングS(G2)をベラジオオペラで制した“ベラジオ”でおなじみの林田祥来オーナーが1億円(以下税抜)で購入した。
そして同馬に次ぐ2位の9400万円でキーファーズが落札したのが、種牡馬ハーツクライのラストクロップとしても注目が集まったサラーシスの2021(牡)だ。
同オーナーのハーツクライ産駒といえば、武豊騎手を背に昨年の日本ダービー(G1)を勝ったドウデュースが真っ先に思い浮かぶだろう。同馬とサラーシスの2021は、偶然にも誕生日が5月7日と同じである。
そのためSNSやネットの掲示板などには、キーファーズがサラーシスの2021を購入した直後から「ハーツクライ産駒でドウデュースと誕生日が一緒なのはロマンを感じる」「ぜひドウデュース2世になってほしい」などのコメントが集まっていた。
「キーファーズ代表の松島正昭氏と武豊騎手が懇意の仲であることは、もはや周知の通り。この馬も同騎手の手綱でデビューを迎える確率はかなり高そうですし、そうなれば大いに注目が集まることになるでしょうね」(競馬誌ライター)
関係者からの大きな期待を背に、早ければ今年中にもデビュー戦を迎えることになるだろうサラーシスの2021だが、やや引っかかる点も存在している。
母サラーシスの産駒は、スクリーンヒーローとの間に生まれた初仔フィルモグラフィーが、中央・地方合わせて34戦未勝利で登録抹消。父ディープインパクトの2番仔のサラダダイエットも現時点で17戦0勝である。
またイスラボニータ産駒で3歳牡馬のボールズピラミッドも、今のところ4戦0勝だ。これまで3頭の産駒がデビューを果たしているものの未だ白星なし、全馬合わせて55戦0勝という不振極まりない数字となっている。
「産駒の競走成績はここまであまり芳しくないようですが、サラーシス自体は現役時代にアメリカで重賞5勝を挙げるなど活躍しました。
社台ファームがYouTubeの公式チャンネルに投稿しているサラーシスの2021の映像では、472キロの好馬体で調教コースを軽快に駆けていく姿も確認できます。落札額からも期待の大きい馬ですし、『今度こそは』という思いも一際強いのではないでしょうか」(同)
母の能力がしっかりと受け継がれているようであれば、ハーツクライ産駒最後の大物と呼ばれるような活躍も可能かもしれない。まずは無事にデビュー戦までこぎ着けてほしいところだ。