オークス(G1)有力馬「降板」の若手騎手が見せた意地の神騎乗! コントレイル「全弟」が5億円ホースらライバルを退け3勝目ゲット

鮫島克駿騎手 撮影:Ruriko.I

 14日、京都9Rに行われた白川特別(2勝クラス)は、三冠馬コントレイルの全弟サンセットクラウド(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。3秒1差の9着に大敗した前走から見事な巻き返しで通算3勝目を挙げた。

 G1の裏開催ということもあってか8頭の少頭数で争われた本レース。だが、コントレイルを全兄に持つ本馬を始め、セレクトセールにおいて約5億円で取引されたリアド、G1・3勝馬デュランダルの近親リンフレスカンテなど、なかなかのメンバーが顔を揃えていた。

 芝2400mのレース。ゲートが開くと酒井学騎手が乗るイヤサカが押してハナを奪い、1コーナーでは早くも先頭から最後方までの差が約15馬身という縦長の展開。サンセットクラウドと鞍上の鮫島克駿騎手は中位の外目から競馬を運び、向正面の中間を過ぎた付近でインコースへと潜り込む。

 そのまま勝負どころへ入って行くと、最後の直線では1頭だけ内ラチ沿いを選択。鞍上のステッキに応えてゴールまでしぶとく脚を伸ばし、2着リアドを半馬身差で退けた。

「少頭数で行われたわりには縦長の展開で出入りも多くなり、仕掛けどころが難しかったと思いますが、鮫島駿騎手は巧みな立ち回りでサンセットクラウドを勝利に導きましたね。

長くしぶとい脚を使う同馬は、抜群の瞬発力を武器にしていた兄コントレイルとはだいぶタイプが違うようですが、これで芝2400m以上のレースでは9戦して8回3着以内をキープ。これからも長丁場では侮れない存在になりそうです」(競馬誌ライター)

 大外8番枠からのスタートだったにもかかわらずラストは最内を突いた鮫島駿騎手はレース後、「Bコース替わりで、馬場も乾き出してきていましたし、インが開きそうならインを狙っていこうと思っていました」とコメント。まさに狙っていた通りの騎乗ができたようだ。

 そんな鮫島駿騎手はひとつ前の8Rも制するなど、この週は土日で3勝の固め打ち。昨年80勝を挙げて全国リーディングでもトップ10に入った期待の若手騎手の1人だ。

 鮫島駿騎手といえば、今週末のオークス(G1)で桜花賞2着馬コナコーストからの降板が発表されたばかり。

 同馬とはデビュー戦からコンビを組み続けていただけに無念としかいいようがなさそうだが、奇しくもオークスと同じ芝2400mで、乗り替わりの鬱憤を晴らすかのような好騎乗を披露した。

「レース後に『いいタイミングで乗せてもらいました』と話していた鮫島駿騎手ですが、SNSやネットの掲示板などにもファンから『神騎乗だった』『これからも鮫島駿騎手でいってほしい』といった書き込みも寄せられていましたね」(同)

 昨年、主戦を降板したジャスティンパレスが、C.ルメール騎手で先月の天皇賞・春(G1)を勝つなど悔しい思いをしている鮫島駿騎手だけに、ファンとしては好騎乗で勝利を飾ったサンセットクラウドには今後も乗り続けてほしいといったところなのかもしれない。

 果たして、次走でもこのコンビが見られるだろうか。

GJ 編集部

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