「理想の競馬」D.レーンにファンの不満爆発!? 被害馬続出でも255万ゲット、横山武史「あれだけの不利を受けてしまっては……」

ソダシ 撮影:Ruriko.I

 府中のマイルを舞台に16頭の精鋭たちが激突した今年のヴィクトリアマイル(G1)。最強牝馬の栄誉を手にしたのは、戸崎圭太騎手と初コンビを組んだソングラインだった。牡馬相手に昨年の安田記念(G1)を優勝した馬にしては、少々意外に思える4番人気。強力なライバルと近走の連敗が影響したのかもしれない。

 これに対し、D.レーン騎手の騎乗したソダシ(牝5、栗東・須貝尚介厩舎)は、勝利まであと一歩のところで、ソングラインに交わされて2着。昨年に続く連覇を狙ったが、わずかアタマ差だけ及ばなかった。

 ソダシを管理する須貝調教師によると、次走は安田記念(G1)を目標に調整を進められるとのこと。最も得意とするワンターンの左回りの舞台が続くだけに、次走でも注目の存在となりそうだ。

 その一方、戦前から不安視されたのは8枠16番という大外枠からの発走である。先行力を生かしたソツのない立ち回りが武器の馬にとって、外枠からのスタートは早めに内へ切り込んで行く必要がある。折り合いに不安の見え隠れする、白毛のアイドルの凡走を危惧するファンも少なくなかったかもしれない。

 そんなファンの心配をよそに、善戦したソダシの走りは見事だったものの、スタート直後に内側へ斜行し、ルージュスティリア、ナムラクレア、ナミュール、クリノプレミアムら4頭に不利を与えたことは、見応えのあるレースで後味の悪さを残す汚点となってしまった。

 中でも特に大きな不利を受けたのは、横山武史騎手のナミュールだ。

 外から切れ込んで来たソダシを避けたルージュスティリアが内へ逃避し、ちょうど隣にいたナムラクレア、ナミュールが押されたのだが、クリノプレミアムから押し返されたナミュールは、ナムラクレアとの間に挟まれる格好で行き場をなくして後退。これには横山武騎手も「あれだけの不利を受けてしまっては厳しかったです。不完全燃焼でした」と悔しさを隠せないコメントを残すこととなった。

「理想の競馬」D.レーン騎手にファンの不満爆発!?

D.レーン騎手 撮影:Ruriko.I

 それに加えて、レース後にレーン騎手が「外枠からいいスタートが切れて理想の競馬ができました」とコメントしたことも賛否が分かれた。

 ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから「まずは謝罪してからだろ」「あれで理想なわけがない」「降着にすべきだった」と不満を爆発させた声もあれば、「意図的にやったことではない」「これも競馬」と受け入れる声もあった。各馬の騎手が全力で勝利を目指して騎乗していることには間違いはないが、結果的にフェアなレースとならなかったことは残念な限りである。

 それとは別の意味で注目されたのは、斜行したことについての過怠金が5万円に過ぎなかったことだ。2着に敗れたとはいえ、賞金は5200万円となり、その内で騎手の取り分5%は260万円。つまり、過怠金の5万円を支払ったとしてもレーン騎手は255万円を手にする訳だ。

 高額賞金のG1レースということを考えれば、微々たる額でもあり、見方によっては「やったもん勝ち」となってしまう可能性もゼロとはいえないだろう。

 また、渦中のレーン騎手は、安田記念にセリフォスとのコンビが発表されており、ソダシへの継続騎乗はない。デビューから苦楽を共にしてきた吉田隼人騎手とのコンビで人気を博していたソダシ。はたして次走は、誰とコンビを組むことになるだろうか。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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