藤田菜七子「二冠牝馬」に完勝実績を持つ相棒と人馬一体のV! 「初出走から13年」オーナーのJRA初白星に貢献

藤田菜七子騎手 撮影:Ruriko.I

 20日、新潟競馬場の最終12Rに行われた4歳以上1勝クラス(ダート1200m)は、藤田菜七子騎手の5番人気ドラゴンゴクウ(牡4歳、美浦・根本康広厩舎)が直線で豪快な大外一気を決めて優勝した。

 15頭で争われたレース。ドラゴンゴクウと5走連続のコンビとなった藤田騎手は「ためれば必ず脚を使ってくれる」と戦前から話していた通り、道中は後ろから4、5番手のポジションで末脚を温存。

 3~4コーナーで巧みに馬群の外へと持ち出して最後の直線に入り、藤田騎手のステッキが入ると、ドラゴンゴクウは残り200m付近でエンジンが点火。粘り込みを図った前の2頭を、ゴール寸前で捕らえ切った。

「レースの前半600m通過は34秒9とそれほど流れていなかったため、ドラゴンゴクウと藤田騎手にはあまり有利でない展開かと思いましたが、ゴーサインが出ると大外から1頭だけ力強い伸びでしたね。藤田騎手も懸命に最後まで追って今年の5勝目をもぎ取りました。

以前は右回りしか走らない印象もあった同馬ですが、ここにきて力も付けているのでしょう。上のクラスでも侮れない存在になるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 ハナ+ハナ差の接戦をモノにした人馬には、SNSやネット上のファンからも「ゴール前の追い比べはしびれました」「まさに人馬一体の走りだったな」「これからも活躍していってほしいコンビ」など、称賛のコメントが多く寄せられていた。

 なおJRAではこれが初勝利となったドラゴンゴクウは、もともと一昨年6月に地方・ホッカイドウ競馬でデビュー。8戦3勝の成績で中央に転入してきたものの、前のレースまで実に17連敗を喫していた。

 しかし地方時代には、昨年の南関東牝馬クラシック二冠を制し、今年のフェブラリーS(G1)でも6着に好走したスピーディキックを相手に3馬身差をつけて完勝した実績もあった。その背景を考えると、決して能力を秘めていないわけではないだろう。

 中央移籍後は芝のレースを中心に使われていたことも、これまで成績が上がらなかった理由の1つとして考えられるかもしれない。ダート1300m以下では今回の勝利を含め【4-3-2-2】と抜群の安定感を誇っている。この1勝をきっかけに軌道に乗ってくる可能性も十分ありそうだ。

「初出走から13年」オーナーのJRA初白星に貢献

「ドラゴンゴクウを所有する福本次雄オーナーは、これが嬉しいJRAでの初白星にもなりました。馬主として所有馬のグッドチャンスを2010年7月の平場戦に初出走させて以来、実に13年の月日が経っていただけに、この勝利には格別の喜びがあるのではないでしょうか。

手綱を取っていた藤田騎手も好騎乗でオーナーの初勝利に貢献しましたね。ドラゴンゴクウは所属する根本厩舎の管理馬なので、これからも騎乗する機会は多いと思われます」(同)

 その藤田騎手はレース後「馬に助けられました」と謙遜していたが、「ためて外へ出せば確実に伸びるので、信じて外へ出した。本当にいい脚を使ってくれました」とも話していることから、戦前に思い描いていた通りの騎乗ができたのではないだろうか。

 スマートフォンの不適切使用で今村聖奈騎手ら若手6人が一斉に騎乗停止となったことで、現在はJRAで唯一の女性ジョッキーである藤田騎手だが、ここにきて2週連続で勝ち星をマークするなど奮闘が目立っている。これからも目が離せない存在になりそうだ。

GJ 編集部

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