「俺の馬だ!」担当厩務員がコース乱入…「脱線」日本ダービーから54年。今年は馬単1点勝負で「キタサンブラックまつり」だ!【東大式必勝馬券予想】

 いよいよ28日(日)は東京優駿

 今日はダービーめでたいな♪、と歌ったのは山本コウタローさん。昭和45年のことで、同氏はその後「おもいッきりテレビ」の初代司会者に。しかし平成元年、急に参院選出馬を表明し、困った我々はみのもんたに白羽の矢を立て番組を立て直すことになる。ダービー脱線豆知識(笑)でした。

 その「走れコウタロー」の前年1969年は、とんでもない「脱線ダービー」だった。

 まずゲートが開いた途端、1番人気の抽せん馬タカツバキが転倒し嶋田功騎手が落馬。16万人の観衆がどよめく中、直線入口で先頭に立った6番人気ダイシンボルガードが3番人気ミノルを押し切るのだが、興奮した担当厩務員が「俺の馬だ!」と叫びながらレース真っ最中の直線コースに乱入し馬と並走するという、今なら失格ものの大事件が……。

 おまけにファンまで戦後最年少(当時)24歳の優勝ジョッキー大崎昭一をスタンドに引きずり込み胴上げする始末。現代まで語り継ぎたい珍エピソードだ。

 最も胸を熱くしたのはバブル真っ只中の1990年。入場者数19万6517人は今でも東京競馬場のレコード。結果はアイネスフウジンが1番人気メジロライアンの追撃を封じ逃げ切り勝ちを果たすのだが、ゴール直後に超絶満員の観衆から沸き上がった「中野コール」は今でも歴代1、2を争う伝説の感動名場面だ。

 中野栄治、当時37歳。騎乗フォームの美しさで知る人ぞ知るの存在だったが、はっきり言って渋い! 前年は9勝、G1勝利も後にも先にもAフウジンで挙げた朝日杯とダービーの2回っきり。

 私はスタンドで満場の喝采を不思議に思いながらも、右手にアイネスの単勝馬券3万円をしっかりと握っていた。総計15万円の大的中! 東大式馬券の鉄則が効いた。

 まず「東京2400m、案外逃げ切れる!」直線が長いので逃げ馬は軽視されがちだが、先週書いたオークスのイソノルーブルや、ダービーでもタニノハローモア、ロジャーバローズら気持ちよく先頭を走る馬は油断しているとなかなか追い付けない。

 次に「皐月賞チョイ負け馬がリベンジ」。アイネスフウジンも皐月賞2着。これは去年のドウデュース(同3着)まで続く鉄板中の鉄板。

 最後に、この頃はそうでもないのだが「若いor渋い騎手が大活躍」。前述、大崎昭一24歳の記録を破ったヒカルイマイ・田島良保は23歳。渋い方では中野が筆頭だが、藤田菜七子の師匠・根本康弘(メリーナイス)、小島貞博(ミホノブルボン)、大西直宏(サニーブライアン)らがいぶし銀を競っている。今気づいたが、ミホノブルボンもサニーブライアンも逃げきりじゃん!!

 ここらで「東大馬券王の大よそー」に移ろう。

撮影:Ruriko.I

 色々書いたが、コントレイルやドゥラメンテら皐月賞馬があっさり2冠のケースも多く、3戦3勝ソールオリエンスが必勝態勢。2着も、すでに勝負付けがついた皐月賞入着組よりも「勝てないが2着は多い」同じ東京2400m青葉賞の勝ち馬スキルヴィングでいいのでは?

 ズバリ!馬単1点勝負で「キタサンブラックまつり」だ!

 3連単なら1・3着も押えに、皐月賞掲示板の馬たちに流せばよさそうだが、先週のオークスのドゥーラみたく「3着に変なの来る説」はダービーでも健在。2018年なんて皐月賞1番人気のワグネリアン、皐月賞1着のエポカロードのワンツーなのに3着に16番人気のコズミックフォースが来て286万馬券ですぜ。

 コズミックはトライアルのプリンシパルSの1着馬、先週のドゥーラはチューリップ賞1番人気だった。何故か人気落ちの実績馬を探そう。前走は初重馬場で崩れたトップナイフ、ベラジオオペラが匂う! 

 最大の惑星は2400、2200と連勝の川田サトノグランツ。数少ない京都新聞杯組は、ここ10年でキズナ、ロジャーバローズと2頭もダービー馬を輩出、2着も1頭。確率的に断然買いだ! 皐月賞チョイ負けで府中の共同通信杯を勝っているファントムシーフとの3連複2頭軸も押えたい。

 さあ、走れソールオリエンス~♪を鼻唄で歌いながら、第90回の祭典を楽しもう!

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の元敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

関連記事

JRA最新記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 23:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS